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2018.02.08

シンガポール旅行記 その44

 シンガポールでは、国民への教育的・道徳的指導を目的とした法律規則がたくさんあるが、「ガム所持禁止」などと同様、これもその一つなのだろう。何かマナー違反的な事件が起きたら即法律で規制だなんて、まるで学校みたいである。

 この禁酒措置は2013年の12月に、ここリトルインディアで発生した暴動が発端だそうで、しばらくはこのエリア(リトルインディアとゲイラン)が「アルコール規制地区」に指定されることになる。厳戒態勢は段階的に解除されていったが、後に、インド系の外国人労働者が「週末の夜に遅くまで外で飲んで騒いだ事が暴動に繋がった」と結論づけられ、それが「国全体」への指導的措置として、2015年4月の「午後10時半〜午前7時の間、公共の場での飲酒や酒類販売を禁じる法律」の施行に及んだというわけだ。やや連帯責任的な感じもしなくもない。しかも、シンガポールが徹底してるのは、外国人観光客にもそれが適用されるという点である。

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      赤線の内側が一時期の規制エリア

 ついでに、飲酒が可能なのは自宅やホテルの自室だけだが、「許可を得たレストランやバー、コーヒーショップの店内は可」というあたりに、国会での話し合いの後を感じる。きっと色々ともめたんだろう。でもそれ故か、これではあんまり規制になってない気もするのだが。シンガポールは暑い国なので、夜に外で涼みながら、路上の屋台やベンチでビールを飲む習慣があったはず。要するにそのあたりが規制の主対象となったのだろう。だとすると低所得の労働者階級への締め付けに見えなくもない。このあたりがシンガポールが抱えている悩みか。違反したら1000シンガポールドル(ざっと8万5千円くらい)以上の罰金または最長3ヶ月の禁錮刑。ううん...すごすぎる。ネットには、「この法律に関しては反対の声が多いと思いきや、国が行った国民への電話アンケートによると8割が賛成している。」と書いてあった。ほんとなの? アンケートほど信用できないものはない。国家元首を決める選挙の投票率および支持率が100%の国は1つしかないかもしれないが、シンガポールが「明るい北朝鮮」とよばれる理由がだんだんわかってきた気がする。

リトルインディアで40年ぶりの暴動
 シンガポールのリトルインディアで昨年12月8日夜に発生。インド国籍の労働者がバスにひかれて死亡したのをきっかけに、警察車両など25台を横転させ、一部に放火する暴動に発展。鎮圧に当たった警官ら39人がけがをした。当局は暴動容疑でインド国籍の25人を起訴。57人を国外退去処分にした。シンガポールでは、1960年代に民族対立などによる暴動が多発したことを教訓に、民族融和や治安規制を推進。69年の華人とマレー人の対立以来、大きな暴動は起きていなかった。
 12月8日の暴動は、リトルインディアから郊外の寮に戻る送迎バスに乗り損ねたインド人男性が、そのバスにひかれた事故が発端となった。周囲にいたインド人ら約400人が、中国系運転手と車掌を責めてバスを取り囲み、暴徒化した。ひかれた男性も暴徒も酒に酔っていたとされる。だが、暴動について米紙ニューヨーク・タイムズは12月27日付の社説で、「評価されずに不当に安く働かされている出稼ぎ労働者の不満の高まりに、シンガポールは対応できていない」と論評した。シンガポール政府は1月14日、同紙が言う「出稼ぎ労働者への不当な評価や抑圧」はないと反論した。
 シンガポール経済は近年、外国人労働者に頼って成長を遂げてきた。1990年の外国人は人口の10%の32万人だったが、2013年には29%の156万人に拡大した。政府は国籍の内訳を公表していないが、インド、バングラデシュだけで建設労働者の過半を占めるとみられる。彼らが建設ブームを支えている。
 安価な労働力の流入による所得格差の拡大で、国民の不満も高まっている。リー・シェンロン首相は昨年8月の演説で、経済発展の恩恵の公平な配分を掲げたが、その対象に外国人も含まれるかは不透明だ。(2014.1.26 産経ニュース)

(つづく)

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