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2018.10.06

シンガポール旅行記 その70

 帰る人々の流れに乗ると、すぐに地下鉄の乗り場が見つかった。あれほど苦労しながらここまで来たのに、帰りはあっさりとしたものだった。ベイフロント駅までの道のりも決して寂しいものではなく、満ち足りた気持ちで歩むことができた。駅で切符を買おうとしたところ、妻のカードにエラーが出て使えなくなった。私が2枚持っていた(それもまた先の失敗によるのだが)ので、ちょうどそれが役に立った。

 サマセット駅に着く。バスの出発まではまだ時間がある。夕食をとろうと、このシンガポール到着後初めて入ったあのThe Centrepointに行った。地元料理のお店があったので席に着いたら「閉店だ」と言われ、別の店を探すことに。ところがここで妻の悪い癖が出る。「バスの時間に間に合わなかったら嫌だから、あとで空港で食べよう。」と言うのだ。いや、ホテルは目の前だし、集合時間まではまだ十分時間がある。しかし、「もしもバスが早く来たら大変だから、早めに集合場所に行って待機したい。」と言う。そこが妻の欠点であり、良いところなのだ。この旅は彼女のためのものだから、怒ったりしないこと。自分にそう言い聞かせ、最後の夕食は空港でとることにした。

 ホテルで預かってもらっていた荷物を受け取り、そのままロビーでバスの到着を待つ。一日中歩き回ってきたのだ。疲れていないはずがない。畳の上でゴロゴロしたい気分。チェックアウトしたので、もうホテルのFree Wi-Fiも使えないようだ。荷物の整理のほかは特にすることもなく、ただじっとバスを待つ。

 22:05にこのロビーに集合だったのだが、21:50頃、バスが到着し、ガイドが私たちを迎えに来た。ほとんど迷いもなく声をかけてきた気がした。よくわかるなぁ。割と新しい大型のバスで、すでに半分くらいの席が埋まっている。添乗員は日本語が堪能な若い女性のシンガポール人。それにしてもこの添乗員のノリはなんだ。よく言えば明るい、悪く言えばチャラい。日本に留学していたと言っていたが、間違いなくキャバクラでバイトしてたろって感じのギャル系。自分でボケまくって自分でツッコむの繰り返し。仕事はちゃんとこなしてはいるが、とにかく苦笑いしてしまうほどチャラすぎる。こんな夜遅くにこのテンションはいらないってば。

 バスはかなり遠回りしながら、途中2カ所で日本人を拾い、ほぼ満席状態で空港に向かう。23時、空港に到着。夜遅いせいかロビーの人影はまばらで、ただでさえ広いこの施設がとてつもなく広く見えてしまう。カウンターでの発券は、ほぼ無言で進む。チケットを受け取り、指示された方に歩いて行くと、出国審査場があった。出国審査は無人。自分でパスポートを機械にピッとした後、右手の親指をスキャンしたら終わり。面倒な審査官との会話などない。よく考えるとこの時、「出国」のスタンプを押されなかった。今時のパスポートは電子式だからいらないのかもしれないが、スタンプがもらえないのは何となく寂しい。ラジオ体操をしたのに印鑑をもらえなかった気分に近い。日本もこれからそうなると新聞に書いてあった。税関らしきものもなく、その後、検査員が軽くパラパラとパスポートを見て、搭乗チケットにペンでチェックを書き入れて終わり。なんじゃこりゃ。あまりに簡単すぎる。観光大国からの出国はこんな感じなのね。

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          このチェックってなんだったのだろう

 バスの添乗員が言っていたことを思い出す。

「現在23時です。飛行機の出発までにはまだ随分時間がありますが、搭乗口まで移動するのに45分はかかりますから十分気をつけてください。また予定時刻より30分くらい早めに搭乗して、機内で休むことができると思います。アナウンスに注意しておいてください。」

 搭乗口まで歩いて45分!? デカいハブ空港だとは聞いていたが、どんだけ広いの? 搭乗口はここからずっと左の方に行ったところだと言われたが、通路が軽く曲がっているせいか、これがどのくらい先まで続いているのかがわからない。右の方も、ずーーーーーっと通路が続いていて、向こうの方が霞んで見える。事前に見たHPには、いろんな施設が充実していてすごい空港だと書いてあった。当初はきっと一日歩いて大汗をかいているだろうから、ここでシャワーでも浴びたいと思っていたのだが、実際のシンガポールは日本ほど蒸し暑くはなかったし、エアコンが効いた所にばかりいたので、シャワーを浴びたいという欲求はそれほどでもなかった。ただ、店舗やレストランはたくさんあるようだが、そうした施設があるようには見えない。後でわかったことだが、どうやらそれらは一つ上の階にあったようで、大した予習もしていなかったし、そうしたことに気づく余裕もなかった。シカゴのオヘア空港の時もそうだったが、本当に時間があるのなら、今度は空港そのものを観光してみたい。

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      手荷物検査を入れての45分だろうが、確かに遠い
      私たちが歩いた距離は、建物の左半分に過ぎない

 出発まではまだ2時間以上ある。とりあえず買い物と食事だ。今立っているあたりだけでも、ものすごい数のお店が並んでいる。とても空港のロビーには見えない。その数と規模、密度はまるで都会のアーケードだ。お菓子の類のお土産もあるが、最初に目に飛び込んできたのはTWG(シンガポールを代表するお茶メーカー)だ。ここは外せないんじゃない? 店は黄色(金色)に光り輝いており、全てのお茶が同じに見えるのだが、よく見るとお茶の名前の部分だけが違っている。高級品とはそのようなものなのだろう。どのお茶が美味しいのかわからないが、聞いたことのある銘柄を買ったようだ。代金は現金で支払ったのだが、支払額に端数があった。小銭が手に入ると思ったら、10セント未満の端数は切り捨てだった。結局、この滞在期間に「1セント硬貨」を目にすることはなかった。日本で言うなら1円玉。カナダでもアメリカでも見かけたペニー(1セント)だが、もしかしたらシンガポールの市場には出回っていないのかもしれない。

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   The Wellbeing Group の頭文字でTWGだそうだ

 2時間ほどの時間があるとは言え、本当に搭乗口まで45分近くもかかるのなら、それなりに先を急がなければならない。とりあえず搭乗口の近くまで行ってから、その周辺で買い物や食事をするという手もある。ただ飲食物は搭乗口手前にある手荷物検査場より先には持ち込めないらしいので、その手前までに全てを済ませないといけないのか。先が読めないとなかなか行動に決断ができない。

 お土産品はそれなりに買ったので、お腹を満たそう。いろんなレストランや軽食・喫茶のようなお店もあるが、時間も時間だし、がっつり食べようとは思わない。結局カフェで、私はチキンサンドを、妻はグラタンを買った。店で食べるのではなく、持ち出して食べられる場所を探した。そんな時、目に飛び込んできたのはTIPTOPという店のCurryPuffだった。現地のファーストフードだろうか。1個1.5S$と手頃。列に並び、一番売れすじと思われるカレーパフを注文しようとしたら、前の人が...買い占めた。なんてこったい! 仕方なく、Sardine PuffとBeef Rendang Puffを2個ずつ買った。

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 こういうお店にこそ入りたいのだ   おまんじゅうサイズでちょうどいい

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なぜシンガポールでたくさん売ってる?  最後はこれだけ残ったようだ

 飲み物はもう少し先の方で買うことにして、とにかく手荷物検査場を確認に行こう。その近くで食事をしよう。

(つづく)

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