2017.10.22

シンガポール旅行記 その20

 入ってきた玄関から外に出る。道路に出ようとしたが、交通量が多く、歩道に出られそうにない。妻が「張さんが右に行けって言ってたから、こっち。」と言って、右側の建物の中に再び入るよう導いてくる。建物の中を通って行くということか。

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  玄関前の視野。これが高島屋だと言われてもピンとこない。

 ホテルの1階表通りは、マンダリン・オーチャードの専門店街になっている。私たち庶民には無関係な高級品ばかりが並ぶショーウィンドウの間をすり抜ける。そしてガラスの扉を開けて通りに出ると、賑やかな人通りが視野一杯に広がった。この段階で、やっと頭の中にあった地図と風景が一致した。そうか、建物の間の路地(といっても十分広いのだが)側に玄関があったんだ。さっき見えていたのも、高島屋の建物の側面か。

 「これがオーチャード通りかぁ。」

 第一印象は、東京の銀座を歩いているような感じ。しかし銀座ほどのフォーマル感ではなく、ハイソではあるがカジュアル感がする。歩いている人たちの顔を見ると、当たり前だがほとんどがアジア系で、観光に来ていると思われる白人がほどよく混じっている。そこもまた東京を連想させる原因か。聞こえてくる言葉も良くはわからないが、少なくとも英語ではない。カナダの街を歩いたときとは明らかに違う。ステレオタイプだが、白人+英語=外国のような方程式が自分の中にあるのかもしれない。カナダではその外国という名の圧力に小さくなっている自分を感じたのに対し、このオーチャード通りを歩いたときの開放感はほぼ対極と言って良い。かなりリラックスした自分に気がついた。でもきっと、そのせいだろう。ちっとも外国に来た気がしないぞ。(^_^;)

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  表通りに面した並びには、興味深いお店もたくさんあった。

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    我が家でブーム中のミニオンズもお出迎えである。

 通りを東に向かって歩いてみる。張さんの言ったソン・ファのある「The Centrepoint」という建物はすぐ近くのはず。時間は午後5時半を回った頃。うっすらと夕方の空気が漂い始めた。

(つづく)

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2017.10.20

シンガポール旅行記 その19

 エレベーターで部屋のある階に上る。そう言えば、ホテルの人は「リフト」という英単語を使っていた。18階で降りると、部屋までの廊下には誰もいない。なぜだろう、和風な雰囲気を感じる。落ち着いたデザインで、高級感に溢れている。

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   景色は及第点。遠くにマリーナベイ・サンズが見えるし。

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    特にシンガポール感はない。広さはちょうど良い。

 部屋に入ると、室内はすっきりとしていて、とても好感が持てる。私好みだ。窓はおおむね南向き。窓際にソファーと大きめの机があり、テレビや冷蔵庫なども一通りそろっておる。机の上に、充電器に乗ったスマホがある。これが張さんが言ってたフリー・スマホか。屋外に持ち出しても良いし、なんと国際電話もかけ放題だって。こんなサービスがあるのなら、先に言ってくれれば日本からスマホを持ってくる必要も、充電の心配をしてコンセント・アダプターを買う必要もなかったのに。とりあえずモバイルWiFiをレンタルしなくてよかった。あとでジェンに聞いたら、「ほとんどの高級ホテルにはあると思うよ。」だそうだ。シンガポール恐るべし... ってか、日本のホテルにもこうしたサービスはあるのだろうか? それこそ張さんが言っていたように、中国人なんかで持って行っちゃう人いないの?

 長旅の果てにやっとホテルの部屋に到着したのだから、ちょっと休憩したい気持ちもある。しかし、ここで一息ついてしまうと、短い滞在の初日を大いに無駄にしてしまう。すでに夕方5時を過ぎている。今日はオーチャード通りを探索するという計画がある。私の中では、ジェンのオススメだった、Far East PlazaにあるHainanese Delicacyで、海南風チキンライスを食べたいと考えていた。

 5年ほど前、ジェンが日本に来たばかりの頃、佐世保のレストランのメニューに「チキンライス」の文字を見つけ、喜んで注文したところ、想像とはあまりにもかけ離れた料理が出てきて大変驚いたと、ニコニコしながら話してくれたことを思い出す。驚いたとは言いながらも、日本のチキンライスも、それはそれでとってもおいしいと言ってくれる彼女である。どうやら、彼女の言う「チキンライス」は、シンガポールの名物料理であり、ソウル・フードのようである。この出来事を知ってからの私は、「いつかシンガポールに行って、彼女の言うチキンライスを食べてみたい。」が、いつなし得るかわからない密やかな「マイ目標」だった。そしてついに、その日が来たのだ。

 がしかし、この時の妻はすでに張さんの「今日はこのクーポンで肉骨茶(バ・ク・テー)オススメ。」という言葉に染められてしまっていたので、それでもいいかと思い、夕食の場所は決定。実は2日目のバスツアーの昼食にチキンライスが出てくることは知っていたので、候補となる名物をいつの段階で食べるかの組み合わせを思案していたところである。こうなると、海南風チキンライスは出番が無いかもしれないと、あきらめた。

 お出かけ準備だ。ホークスのリュックにガイドブックや水筒、カメラに折りたたみ傘を入れる。お金も持った。パスポートは、カナダではメラニーの家に置きっ放しだったが、今回の旅では突然使う可能性もありそうなので持ち歩く。治安は良さそうだが、決して気を緩めないように。リュックにチェーンでつながれたポーチの中にパスポートを入れ、リュックの口をロック。フリー・スマホとiPadも持って、さあ出発だ!

(つづく)

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2017.10.18

シンガポール旅行記 その18

 今思うと、スタンフォード・ロードからペナン・ロード、サマーセット・ロードを通って、オーチャード・リンクに出たのだろう。リッツ・カールトンからほぼ真っ直ぐに走ってきただけだ。でも最後の最後に、ホテルの建物を取り囲むように回ったため、たったそれだけで方向感覚がなくなった。いや、最初からオーチャード・ロードに面したところに玄関があると思い込んでいたからと言うべきかもしれない。正面玄関は大通り側ではなく、側面にあっただけなのだ。

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 正面玄関のタクシー乗り場は半分地下に埋もれたような形になっている。その直前でバスを降りる。

 「今日はこのクーポンでソン・ファのバ・ク・テー、オススメ。ここ高島屋。お買い物便利。そこ右に行って、5分くらいのすぐの地下にソン・ファあるね。有名。」

 そうか、これは高島屋なのか。なんか、アジアだなぁ。

 荷物を持って、張さんの案内で5階のフロントに向かう。フロントにはチェックインするお客の列。順番が来るまで、張さんがいろんなことを話しかけてくる。

 「部屋にケータイ置いてあるね。使っていい。ただで借りられる。便利。」
 「ここのチキンライスは有名。高級。高級の意味は高いの意味。」
 「部屋の飲み物高いから、外で買って持ち込めばお金かからない。ここ、シンガポール、何でもあり。」

 順番が来た。カウンターに飴が置いてある。張さんは1個、口に放り込みながら、「飴、たべるか?」と勧めてくる。シンガポールの人は、飴が好きらしい。

 フロントの男性スタッフにパスポートを渡す。張さんがスタッフに話しかける。二人の会話は中国語(マレー語の可能性もある。)なので、何を話しているかさっぱりわからない。でも、張さんが全部やってくれている感じがする。

 「明後日のチェックアウトは普通11時、でも特別にタダで16時までダイジョウブ。間違いないから安心していい。HIS強いから特別できる。よそはできない。」
 「クレジットカード持ってるか。追加料金が出たとき、カードで払う。日本人大丈夫だけど、中国人よく物壊したりする。その時、カードからお金もらう。何も無いとき、サインしない。サインしないはお金必要ないの意味。何も無い。ダイジョウブ。」

 どうやら、海外のホテルでは保証金(デポジット)が必要な所が多いのだそうだ。カードを持っていなければ現金を預けることになる。幸いカードは持ってきているので、事前にカードをスキャンされ、一定額(300S$だったかな。)が仮に引き落とされる。ルームサービスを利用したり、何かを弁償する際、そこから支払い、残額が返金される。何も無ければ全額戻る。支出にはサインが伴うので、それで支出があったかどうかがわかるのだそうだ。そのような習慣があるとは知らなかったので、ちょっとだけ心配になったが、安ホテルじゃないのでフロントでスキミングはなかろうと、信用するしかなかった。良い勉強になった。きっと、カナダもそうなんだろう。

 部屋の鍵はカード式。外出時、鍵はフロントに預ける必要があるかと、フロントスタッフに英語で尋ねたら、一言、「ノー」と返事が返ってきた。英語は通じることがわかった。

 張さんとはここでお別れ。明日は別のガイドが来るらしい。部屋に向かう。

(つづく)

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2017.10.15

シンガポール旅行記 その17

 「ワタシ、HISの張イイマス。ヨロシクネ。ハイ、コレ、イロイロナ ショルイネ。」

 張さんは中国系のシンガポール人で、話す日本語はいかにも中国なまりではあるが、それでも言っていることは十分わかる。まずは、この後の予定と明日のツアーの説明があり、いろいろな注意事項について書かれた書類をもらった。他の2組のツアー客を待って、バスが止めてある駐車場に向かって移動する。外は曇り空。射すような日差しはなく、気温も湿度も日本の穏やかな夏日の暑さ程度。まるで違和感がなく、赤道直下感はない。

 10人乗りほどのマイクロバスに乗り込む。同乗者は比較的若い女性2人組が2組。そう言えば、この旅の間に出会った日本人観光客は若い女性2人組ってのが多かった気がする。近くて、安くて、気軽に来れるからだろう。治安が良くて、街がきれいなんだろう。買い物できる場所や遊べるところが多いのだろう。シンガポールという国はそういう国なんだろうということが、ここからわかる。

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   シンガポールの国土は東京23区と同じ面積だそうだ。小さいなぁ。

 車はイースト・コースト・パークウェイという、南東部の海岸に沿って東西に20kmほど伸びている高速道路を走る。張さんが言うには、ダウンタウンまでは15分ほどらしい。私たちを含む3組はみんな泊まる場所がばらばらで、これから3つのホテルを回るのだそうだ。私たちのホテルは2番目なので、もう少し時間がかかるということか。イースト・コースト・パークウェイ自体は日本の高速道路のような感じではなく、普通の道路にしか見えなかった。左手には海が広がり、所々に南国風のパーム・ツリーが並んでいる。

 マイクロバスの中では張さんが機関銃のように話してくれる。明日のツアーの集合場所と時間のこと、消費税(GST)払い戻しのための必要書類のこと、酒類規制法のこと、シンガポールの気候のこと、人種のこと、カラフルなタクシーのこと...。聞き漏らさないようにしなければならないとは思うが、車窓からの風景も楽しみたい。耳からの情報に意識をさかなければならない分、目に飛び込んでくる情報がおぼろげになる。オタワの空港からメラニーの家に向かう車の中の時と同じ状態だ。まるで二兎を追いかけて、ひいひい言っている感じ。

 やがて、左手に「シンガポール・フライヤー」と呼ばれる巨大観覧車と、ドリアンの形をした「エスプラネード・シアター・オン・ザ・ベイ」というホールが見えてきた。うわっ、あれが噂の「マリーナベイ・サンズ」か。一気に、シンガポール感にどっぷりとつかる。「明日会いましょう、みなさん。」 そう心につぶやきながら、はやる心を抑えていた。

 マリーナ地区にあるリッツ・カールトンに到着。近代的なビルなのに、入口周辺が緑に覆われており、南国風の自然の空気を大切にしたデザインがすばらしい。ホテルの入口にフェラーリが停まってる。さすが、アジアで一番のお金持ちの国だ。ここに宿泊する二人が下車し、張さんはチェックインの世話をするようだ。ツアーのありがたいところである。

 しばらくすると、張さんが車に戻り、いよいよマンダリン・オーチャードにむけて出発だ。町中をすり抜けるように車は走る。残念ながら、どこを走っているのかさっぱりわからない。感覚的には東京の街に似ている気がする。賑やかな街並みがびっしりと詰まっている感じ。でも街路樹や茂みが随所にあり、それらが気候の違いを感じさせる。車は渋滞と言うほどではないが、それなりにたくさん走っている。右ハンドルなので、日本と同じ。でも、流れが違うことにこの時はまだ気づいていなかった。

 「さぁ、ホテルに到着しましたよ。」

 えっ、観光誌で見たホテルの感じと、なんか違うな。これ裏口か? ここがオーチャード通りなのか? 間違いなく、正しく、到着である。

(つづく)

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2017.10.13

シンガポール旅行記 その16

 なんだろう、この空気の違いは。何度も書いたが、アメリカに入国した際は、まるで犯罪者を見るような目で、「おまえ、テロリストじゃないだろうな? 何しにアメリカに来たんだよ。たとえ乗り換えであっても、指紋採るぞ。変なことすんなよ。」って言われているようで、ちっともいい気がしなった。でも、ここはまるで違う。入国待ちの列は簡単には進まず、それなりの長さではあった。しかし、ここにいる人たちはみんなリラックスしている。ゲートの向こうで待っている、これから訪れるであろう至福の時間を心待ちしている。まるでUSJやTDRへの入園待ちの列にそっくりだ。どっちがスタンダードなのか? もしかしたら当初考えていたとおり、アメリカが異常なのではなく、シンガポールがフレンドリーなのではないか。世界は広い。世界はお互いに牽制し合っている。近隣の国同士ほど。それが普通なのか。いや、どこの国とも仲良くなりたい。切にそう願う。

 入国審査の場は、保安上の理由で写真撮影は不可である。隣の中国人風の若者達は、バシバシ自撮りしているが...。20分ほど待っただろうか。やっと私の順番が来た。私が先に行くので、よく見て同じようにするよう、妻に伝える。審査官にパスポートと出入国カードを差し出す。ジェスチャーで、スキャナーに右手の人差指を置くよう指示される。しばらくはパスポートを機械にかざしたりスタンプを押したりの作業をして、パスポートとカードの半券が返却されて終わり。審査官同士はなにかのおしゃべりしている。マレー語だろうか。何を話しているかさっぱりわからなかったが、なんか雑談のようにも見えたし、若手の研修指導のようにも見えた。で、私に対してはというと、この間、会話はなし。何も聞かれなかった。

 ちょっと離れたところで妻を待つ。妻もほぼ同じ感じだった。無事、二人とも入国完了。待ち時間と空気は違ったけど、入国審査にかかった手間と時間は、アメリカのそれと変わらなかったかもしれない。

 荷物を受け取らなくちゃ。ちゃんと出てきているか心配。とっても心配。福岡便の荷物が届くカルーセルはまだ動いていなかった。まもなく回転が始まり、無事荷物を受け取った。特に傷んでもいなかった。

 そう言えば日本でもそうなのだが、最近、出口のところで、荷物をチェックされることがなくなった。ここでもそうだった。荷物を勝手に取ってさっさと解散して下さいってことか。間違って持って行かれるとか、勝手に人のを持って行くというトラブルは起きないのだろうか。結局、預けた荷物の引換券は活躍の場がないままだった。いや、荷物自体にトラブルがあった時の証明書にはなってるということか。そう言えば、カナダではその半券を使ったっけ。
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日本国内でのロスト・バゲッジっていったいどのくらい
の頻度で起きているのだろう。知り合いからはそんな
経験をまるで聞いたことはないけど。
 
 出口を出ると、1階の到着ロビーはどこの国も似たような感じだ。目の前は、バスやタクシーなどの乗り場に繋がっている騒々しさにあふれている。

 ツアコンと思われるおじさん達が数名立っている。どれがHISの人か...ときょろきょろしていたら、

 「HIS? あの人ネ。 張さーん、お客さん!」

と、別のツアコンのおじさんが、HISが契約している「lailai観光」の張さんを呼んでくれた。

(つづく)

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2017.10.11

シンガポール旅行記 その15

 機内アナウンスで、窓のシェードを開けるように指示が出る。眼下に風景が見え始めた。海岸線をおおむね南下している。見えている景色はマレーシアだろう。一面、緑に覆われている。地学の教科書で見るような、ものすごく蛇行した川がいくつも見える。すごい。そんなところに感激している私がいる。生まれて初めてアジアを感じた気がした。地学ばんざい!

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    このあたりかなぁ。もっと近くて迫力があったけど。

 本能寺ホテルはまだ終わっていないが、この辺でビデオをあきらめ、画面を世界地図に切り替える。飛行機の飛んできた飛跡が示された。ほぼシンガポールの真上。いま、このあたりか。ん? なんか回ってるぞ。機長からのお知らせが入る。

 「当機は、チャンギ空港からの着陸許可が出るのを待ちながら、上空で待機中です。」

 アジアNo.1のハブ空港だ。頻繁に離着陸が繰りかえされているのだろう。次は乗り継ぎって訳じゃないから、少々遅れても気にはならない。


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      画面の飛跡もぐるぐる回り始めた。

 そして、いよいよシンガポールの地へ着陸だ。左手に見える海側の風景は、どんどんと沖の方に向かって埋め立て拡大中である。まだまだ空港を拡張するのか。それともシンガポール海峡を渡る船が立ち寄るための施設が作られるのか。

 チャンギ空港に到着。例によって出口に近い席を取ってもらったおかげで、飛行機から出るのは簡単だった。人々について出口に向かう。入国審査場へ向かう道はシンプルだった。どこもそうなんだろうけど、何も無い。

 階段を降り、入国審査場の手前のホールに降りると、シンガポールが私たちをめいっぱい歓迎してくれた。これだけのことなのに、うれしくて涙が出そうになった。

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(つづく)

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2017.10.09

シンガポール旅行記 その14

 長かった機内での時間も、終わりに近づいている。そろそろ、出入国カードを書いておかなければならない。妻にとっては初体験である。

 カードのフォームは国によって違うようだが、概ね書くことは同じ。アメリカとカナダのは似ていたが、よく考えてみると、今回のそれは入国カードではなく、出入国カードになっている。あとでわかったのだが、左3分の2が入国カードで、入国の際、その部分だけが切り取られ、右3分の1は返却される。帰国する際の手続きでは、これを提出するだけで良いようになっているようだ。もし、この右側の出国カードを紛失したら、改めて出国カードを書かなければならなかったらしい。思い出にとっておこうくらいの気持ちで、パスポートに挟んでしまっておいて助かった。

 あとで振り返ってみれば、返却された部分の裏面にそのあたりのことはちゃんと書いてあること。ふだんから授業で「ちゃんと読め! そこに書いてあるだろうが。」と言って生徒をしかり飛ばす自分の姿を想像し、自分に指導を入れたくなる。

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    「地球の歩き方」に書き方が書いてある。

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  帰国時にスタンプが押された

 ちょっとだけ気になるのが、この裏面に、「このカードをパスポート/旅券から取り外さないで下さい。」と書いてある。これは出入国カードの一部であり、パスポートから切り取ったものではない。ここで言う英文のtravel documentとは、この出入国カードそのもののことなんだろうが、なんか違和感が残る。うわぁ、麻薬密輸は死刑か。フィリピンだけじゃないのか。(゜Д゜;;;)

 それにしても、やっぱりシンガポールは親切だ。アメリカ経由で行ったカナダのものはともかく、日本から直接行ったアメリカの場合の入国カードは、完全に英語だけで書かれていたが、シンガポールのそれは英語と日本語の併記だった。アメリカは、「俺んとこに来たくて来るんだろ。自分で何とかしろよ。」な空気があったが、シンガポールのは「ようこそ、シンガポールへ!」なフレンドリー感があふれている。

 とは言え、何を書くべきかはわかるものの、どのように書いて良いかは、初心者には少々とまどいもある。でも、世の中はよくできているもので、「地球の歩き方」にも、「まっぷる」にも、果てはHISがくれた「東南アジアガイド」にも記載例が載っていたので、それを見ながら書けば簡単だった。

 ...えっ? 「まっぷる」と「地球の歩き方」で微妙に違うって? 妻の指摘するところをよく見てみると、「シンガポール国内での滞在先住所」の欄が、まっぷるはホテル名と住所が書かれていて、地球の歩き方はホテル名だけになっている。住所を書いてなかったら入国が拒否される...なんてことは絶対ないだろう。地球の歩き方の著者はいつもホテル名だけで済ませてるんだろうな。2冊買ったおかげで、こうした本の編集者の性格の違いまで楽しめるなんて。楽しみは予想もしないところにたくさん落ちている。

 隣の席で、「ホテル名が長すぎて、枠に収まらない...。」と妻が悩んでいる。私はすでに適当に省略して書いていた。こういうところまで気になるところは、やっぱり日本人だ。良きかな。

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        悩め。良い勉強だ。がんばれ。

(つづく)

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2017.10.07

シンガポール旅行記 その13

 食事が終わると、特に何もすることはなくなる。ビデオでも見るしかない。横に座っている妻を見ると、ぼーっとしている。韓ドラをぼーっと見る時の、あのいつもの姿そのものである。そうか、イヤホンで何かを聴いているので、映画を見ているのだろう。何を見ているのかちらりと横目に見る。なぜか画面は真っ暗。そっか、隣からは見えないようにしてある画面なのか。

 私も見ようと画面のメニューをブラウズ。ほとんどの映画には興味はなかったのだが、最初に見ようという気になったのが「ズートピア」。映画館で見ようとは思わなかったものの、何となく気になっていた映画ではある。しかもアニメなので、気楽に見られそう。ところが音声は英語で、字幕が中国語。他の言語に切り替えられるのではないかと機能を探したが、残念ながらやっぱり日本語はなし。ううん...。それじゃ、違うなぁ。日本語か日本語字幕の映画じゃないと、この狭苦しい機内ではリラックスして見られない。いくら海外に行くからと言って、今は英語のリスニングをお勉強する気分ではない。日本と海外を結ぶ空路の映画でも、必ずしも日本語字幕があるとは限らない。そりゃそうか。

 次に見つけたのが、見たかった「ゴースト・イン・ザ・シェル」。内容的には自分好みのはずなんだが、暗くて重たい空気の出だしで、何となくこの時の気分には合わなかった。途中まで見て、ギブアップ。

 じゃ、「スターウォーズ/ローグ・ワン」。これも日本語はなしか。しかも、すでに映画館で見たわけだし、もう一度見ようという意欲はここでは湧かず。

 感動の作品、「この世界の片隅に」。もう一回見ようとは思っていた。でも、原作の漫画まで見てるせいか、あの映画館で見たときのような感動がまるでない。いつもならおもしろく感じるはずの英語字幕がうっとうしい。これも途中であきらめる。

 なんか、コメディーでもないかなぁ。こんな気分の時は、頭を使わないコメディーかバラエティな気がする。

 あった。「本能寺ホテル」! やっぱ、こういう時は綾瀬はるかに限る。出だしからして、完全なドタバタ劇だ。良い感じだ。日本史に弱い私は、ストーリーの妙はわからないかもしれないが、綾瀬はるかなので全て許す。

 途中、エアーポケットに入ったのか、機体は結構揺れた。その度、機内アナウンスが挟まれ、映画は強制中断された。どの程度、ストーリーが頭に入ってきていたのか定かではないが、なんとかしばらく見ていられた。

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機内での心理状態に合った映画って、何が良いのだろう。


 昼食後、閉めるように言われていた窓のシェードを時折開けては、眼下に景色がないか確かめる。外は雲に覆われていて、全く何も見えなかった。日本は雨だったし、シンガポールの天気も曇りやら晴れやらが入り交じった天気予報だった。雲の下は雨だったのかもしれない。

 機内はユナイテッドみたいには寒すぎはしなかった。室温は快適であったが、それでもやっぱり長時間のフライトではスリッパが必需品だった。シンガポールと日本の時差はわずか1時間。フライト時間はカナダ旅行の時の半分。だから大したことはないと思っていた。なのに、いざその時を過ごしてみると、その6時間半がとても長く感じた。海外旅行の壁は飛行機の中にある。

(つづく)

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2017.10.05

シンガポール旅行記 その12

 ピーナッツが配られる。ビールのおつまみなのか。ペーパーナプキンも一緒に袋詰めされている。どこかの国では開封してお皿に入れて配らないと、飛行機を引き返させられるくらいオーナーの娘が怒るらしいが、これで十分、丁寧なサービスである。

 飲み物はオーソドックスなラインナップだったが、アルコール類も無料。周囲の人はがんがん「タイガービール」を注文していた。とっても飲みたかったのだが、今日はきっと夜まで街を歩き回ることになるので、体力温存。冷たいお茶を注文した。タイガービールと言えば、いまどき地元のスーパーでも手に入る。だからめずらしくはないし味も知っているのだが、現地で飲むそれの方が美味しいに決まっている。ビールは今夜以降にとっておこう。ピーナッツだけをポリポリ…。

 まもなく昼食となる。CAさんたちが慌ただしく、あの狭い通路を動き出す。70周年記念の特別メニューのようだ。メニューは2種類。要するに洋食と和食。妻が前者を選んだので、私は自動的に後者を選ぶ。前回の旅行の際に決めた私のルールである。理由は簡単。どっちも見てみたいから。あわよくば、ちょっと味見させてもらうことも可。

<インターナショナル・セレクション>
 - 前菜 シーフード、オルゾパスタサラダ添え
 - メインコース ビーフハンバーグ、カレーソースとチーズを添えて
 - デザート ハーゲンダッツ・アイスクリーム
 - ベーカリー パンとバター
 - 温かいお飲み物 コーヒーと紅茶

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     フォークやスプーンは金属製。たったそれだけで高級感

 妻が食べ始めたのを見て、「どう?」と聞いたところ、「おいしいんだけど、頭がいたくてあんまり食欲がないから、半分あげる。」と言われて、半分食べる。気圧の変化による頭痛だろうか。

 タイ米のご飯に、カレーソースとチーズがかかったハンバーグが乗っているワンプレート・ディッシュといった感じ。確かにおいしい。でも、この状態だとハンバーグというよりは、ハンバーグ・カレーと言われた方がピンと来る。そうだと思うと、一層おいしく感じた。妻はカレーをちょっと食べた後、kiriのクリームチーズをクラッカーに塗って食べて、その味にかなりご満悦の様子。私も初体験で、こんなにクラッカーに合うソフトなチーズがあるとは知らなかった。夫婦でkiriの大ファンになってしまった。カップのふたがシールされた水もあった。こんな形の水は初めて見た。

<和食>
 - 前菜 盛り合わせ
 - 麺 冷たい季節の麺
 - メインコース 焼き鳥丼
 - デザート ハーゲンダッツ・アイスクリーム
 - ベーカリー パンとバター
 - 温かいお飲み物 煎茶

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         日本人からすると、主食のオンパレードか

 私の方はと言うと、タイ米のご飯の上に、串に刺された焼き鳥が乗った文字通り「焼き鳥丼」である。これがかなりうまい。日本人ならこの味を嫌いなはずはない。添えられたにんじんや焼きネギなどもとても上品に仕上げてある。うまいのだが、写真を見てわかるように、このご飯の他に、冷やしつけうどんとパンがついている。だとすると、焼き鳥丼はおかずで、うどんはサブで、パンが主食なのか? うどんもおいしかった。パンも普通においしかった。(でもパンはいらなかった。)野菜に添えられた焼き鯖の切り身もよかった。が、なんかバランスは悪いなぁと思った。ユナイテッドの食事とは天と地ほど違うけど。

 考えてみると、本当に久しぶりのタイ米である。しかし、この日のご飯はわりと粘り気があったので、それほど違和感を感じなかった。いや、もしかしたら短粒米だった? ちょっと自信がなくなってきた。そのくらい、十分おいしかった。

 タイ米と言えば、平成5年の米不足を思い出す。あの時はちょっとした騒ぎだった。本当にスーパーから国産米が消えた。代わりに緊急輸入されたのがタイ米だったが、テレビでは、おいしくないからと言ってそれを捨てる者が出てきたとか、輸入されたタイ米からネズミの死骸が出てきたとか、騒ぎをあおり立てるようなニュースが連日報道されていた。実際に食べてみたら、確かに「ぱさぱさ」というか「ぱらぱら」しており、香りなども日本のものとはかなり異なっていたので、日本食には合わないのかもしれないが、それを主食とし、おいしいと感じている人がいることを思い出しながら食べると、自分たちのそれと違うからまずいとか、ましてや捨てるなどという気持ちには全くなれなかった。緊急輸入しておきながら、文句ばっかり言っている日本人は失礼だと思った。いや、もしかしたら一部の人たちの小さな出来事が、日本全体の出来事のように報道されたにすぎなかったのかもしれない。今風に言うと、ネトウヨの発言がYahooのトップに上がったみたいなものかも。

 昔から、飛行機の機内食というものに大きなあこがれがあった。その響きが素敵だった。それ故に、カナダ行きの飛行機の中で初めて食べるまではわくわくだったのが、かの食事のおかげで、「機内食=まずい」の方程式ができあがっていた。それが、この旅で払拭できた。完食。シンガポール航空さんありがとう。来年はエア・カナダに期待だ。

(つづく)

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2017.10.03

シンガポール旅行記 その11

 離陸までまだ1時間半ある。とにかく海外旅行に関しては、心の健康のために時間の余裕が何よりも大切である。4階の食堂街で朝食をとることにした。しばらくの間、日本食とはお別れ。カナダに行く前の最後の食事はパスタだったが、今回はごぼううどんだった。博多のコシのないうどんなんだろうなとあまり期待していなかったら、結構おいしくて嬉しかった。

 日本出国は大して時間はかからないだろうと思っていたので、あまり焦りはなかった。手荷物・身体検査は国内線のそれとあまり変わらない。違いは、ゲートを通過直後の足元のカゴに、ペットボトル入りの飲み物がたくさん没収されたいたこと。国際線は液体には結構厳しい。

 出国検査場では日本人専用ゲートがあり、明らかに列が短い。順番待ちしていた列の最後尾で様子を伺う。パスポートのみ提示せよと書いてある。順番が来た。機械にかざして、パラパラめくって、スタンプをポン、で終わり。ううん…、会話なし。怪しまれていないってことなのかなぁ。いいんだけど、勝手に心配して緊張している分、一気に気が抜ける。妻もスムーズに通過。

 割引クーポン券をもらっていた免税コーナーがあるが、ここは全く興味なし。あとは搭乗ゲートに向かうだけ。比較的新しい分、内装はとても綺麗。所々に軽食をとれるお店、売店、飲み物の自動販売機がある。ここから先購入した物は飛行機に持ち込めるということ。それが普通だと思っていたのだが、そうではないことを3日後に知る。

 せっかくのチャンスなので通路に並ぶそうした店舗を見て回ったが、成田に見られるような個性的な日本土産を売る店はなく、さっさとシンガポール機の搭乗ゲート前に行き、ベンチに座った。シンガポール航空のスタッフの方が、入国の際に必要な「出入国カード」を配布していたので、2枚もらう。乗る前に配るのか。これは妻は初体験。この旅で初体験を一杯してもらおう。搭乗開始はおおむね定刻だった。例によってビジネスクラスの人たちからである。出口に近い座席を希望したので、搭乗は本当に最後だった。

 ところで、多くの人は飛行機に乗る時、どこを希望するのだろうか。初めて乗る時は外の景色を見たくて窓席を選ぶ気がする。長距離になると、自由に動けるように通路席を選ぶのではないだろうか。何れにしても、中央部の列はなんだか落ち着かない。今回乗った飛行機は、2-3-2席の構成だった。二人旅行なので、窓側の連席をとってもらって良かった。シンガポール航空機は席の大きさ自体は標準的だが、足元は予想より若干広く、身長176cmの私もしっかりと真っ直ぐに足を伸ばせた。目の前には、有線のリモコンがついたモニターがあった。あとで分かったのだが、シンガポール航空機はビデオのラインナップとその数が売りなのだそうだ。しかし、カナダ旅行の際、まったくビデオを見ようという気にならなかったことを思い出す。それよりはネットのブラウジングの方が良いかと思い、iPadを持ち込んでいる。私のはWiFiモデルなので元より使えないのだが、風の噂で「機内でもフリーWiFiが使える。」と聞いていたので試して見たが、残念ながらそのサービスはなさそうだった。いと、口惜し。(あとでわかったのだが、WiFiはあるのだが、どうやら有料サービスだったようだ。)

 離陸。いよいよ日本を離れる。 二度目の海外旅行の始まりをこの瞬間に感じた。シートベルトの着用ランプが消えると、民族衣装の「サロンケバヤ」を身にまとった美しいCAさんたちが一斉に動き出した。うわぁ、もうシンガポールだ。何人かは英語を話すシンガポール人、うち一人が男性、何人かは日本語対応の日本人。私たちに対応してくれたのは、日本人のスタッフだった。おかげでリラックスはするのだが、英語で苦戦する方が海外旅行っぽくてよかったかな。まずは熱いおしぼりが配られる。衛生面への気遣いだろう、挟みを使って一人ひとりに配られる。ユナイテッドとはかくも違うのか。

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 タイトでセクシーで、とってもシンガポールの空気を演出しているとは思うけど、狭い機内でのお仕事、動きにくくはないのだろうか。

(つづく)

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