2018.01.18

シンガポール旅行記 その41

 バスは昼食の会場へと向かって出発した。例によって一方通行の規制ゆえに、またまた同じような道を通っている。もはやマリーナ地区を抜けるまでは、風景に興味は無くなった。そうなると、明さんのマシンガン・トークに耳を傾けるしかない。

 明さんは、このツアー終了後のオプショナルツアーについて紹介を始めた。

「このツアーが終わったあと、トライショーで市内をまわる観光ツアーあります。希望する人は、15時にマリーナ・ベイサンズで解散した場所に集合して下さい。」

 客の一人が「そう言えば、街中でまだトライシクル(三輪タクシー)を見かけませんけど、走ってるんですか?」と尋ねると、明さんは、

「シンガポールでは『トライショー』言いますね。今は、シンガポールではトライショーは観光用で少し走ってます。トライショーは狭い道入って行けるから、運転手さん、いろいろ道連れて行けます。ゲイラン地区も行きます。日本の昔の赤線ね。男の人喜びます。でも大丈夫。昼間は危なくない。運転手さんいるから大丈夫。参加する人は、後で声をかけて下さい。」

パンフレットに載っていた当初の予定では、この後の順番は、

 1 ランチ
 2 アラブストリート散策
 3 リトルインディア散策
 4 マリーナ・ベイサンズで解散(15:00予定)

だったのだが、ランチの後はリトルインディアに行くのだそうだ。チャイナタウンでの時間の短さで何となくせかされている気もする。この時、「まさか、アラブストリートには行きませんなんて言うんじゃないだろうな。」という不安が頭をよぎった。このオプショナルツアーをねじ込むために、全てを短めに済ませるための策なのかもしれない。そんなことを考え始めた。実際、このツアーの終了時刻は14:00だった。各地の観光時間があまりに短かったことから、軽くだまされた気分。そこで、あとでネットでツアーの概要を見たところ、最初から各地での見学設定時間は30分だったようで、マーライオンに少し時間を取り過ぎた分、チャイナタウンが短くなったのかも。

411

 「トライショー」は、自転車の後ろに客席となる椅子を付けて走る人力車のようなもので、かつては庶民の足だったが、現在は旅行者向けの乗り物になっているらしい。実は日本の人力車から生まれたもので、人力車は中国へ伝わり、「ジンリキシャ」がなまって「ジンリクショー」へ、それを短縮して「リクショー」になり、現在では、車輪が三つなので「トライショー(Tri-Shaw)」と呼ばれているのだそうだ。
 「VELTRA」 https://www.veltra.com/jp/asia/singapore/ctg/2061:Trishaw/

412_2 413_1
   シンガポールでは「トライショー」(シンガポールだけ人力?)

414 415
 タイやラオスでは「トゥクトゥク」   フィリピンでは「トライシクル」

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.13

シンガポール旅行記 その40

 お寺のすぐそばでバスから降りさせられる。降車場にはバスやタクシーがごった返している。例によって、ここに車は駐車はできないらしい。時間が来たらどこに集合させようかと、明さんがやや戸惑っている。

 「時間は30分です。時間が来たら、この付近に戻ってきて下さい。」

 見学時間は30分。えっ!? 短すぎるやろ。それじゃ、お寺見たら終わりじゃん。チャイナタウンどころか、お土産を買う暇もないって。それに、この付近ってどこよ。これだけたくさん車がごった返している、このバスを見つけられるんだろうか。

401_2 402_2

 不満は無くはないが、漏らしている暇があったら少しでも街を見てこよう。真っ直ぐに佛牙寺の中へと向かう。仏教式の寺はさすがに日本で見慣れており、やや派手さはあるものの驚くような所はほぼ無い。入口で賽銭をあげ、線香に火を灯し、一礼して中に入る。無数の仏像が壁一面に並んでおり、お坊さんがお経を唱えている。妻がさっさと出て街の方を見ようというので、あっという間に外に出たが、上層階もあったらしく、二階にはお土産ショップもあったのだそうだ。もっとゆっくり見たかったが、あの時間では仕方がない。

403_2

 お寺の外に出ると、お寺を取り囲むように屋台風の小さなショップがびっしりと並んでいた。小物やアクセサリー、Tシャツなどのお土産類から、仏教に関係するような品、衣類、食べ物など種類は様々。なぜかまだ開かれていない店舗が多く、人通りも思ったほど多くはなかったせいか、ちょっと寂れた感じがした。所々に規模の大きな店舗があり、大量の衣類を売っていた。何本も並ぶ細い道に入ると、食事のできる屋台が並んでおり、この後のツアーに昼食が含まれていなければ、どれかに寄って食べてもいいなと思わせる魅力的な店もいくつもあった。ただ、それらに共通して言えることは、なぜか「活気が感じされない」こと。こうした街はやはり夕方から賑わうのだろうか。思ったほど、いや勝手に想像していたほど、人の気配がない。この街並みの感じから察するに、本来の賑やかさはこんなものではないはず。時間帯が違ったのだろうか。

404_2

 そうこうしているうちに、集合の時間が近づく。まだこの街の1割も見ていない気がする。きっとこの奥の方に、とんでもなく楽しい世界が待ち構えている気がする。しかし、バスに乗らないわけにはいかない。ツアーは広く見られる代わりに、浅くしか見せてくれない。仕方がない。バスを降りたあたりに戻ると、明さんがこっちこっちと手招きしている。バスに乗り込む。

405_2
ドリアン食べてたらバスに乗せてもらえなかった?

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.11

シンガポール旅行記 その39

 次の目的地はチャイナタウンである。地図を見る限りでは、シンガポールのまさに中心地(日本で言うなら新宿あたりか)に広がっており、中国系がこの国を治めている事がよくわかる。よく考えてみると、アラブストリートの様子はテレビのバラエティー番組で見ていたので何となく雰囲気はわかっていたが、チャイナタウンの予習など何もしておらず、勝手に想像していたイメージを持ったままだった。

 サウスブリッジ・ロードを走るバスの車窓から見るチャイナタウンは人の気配のない古い家が並ぶだけで、なぜか心を揺すらない。店の多くが開かれていない感じがするからか。よくよく考えてみると平日の真っ昼間だ。車がひっきりなしに往来する大通りに人があふれているはずはない。これが住宅なら仕事に出ている時間だろうし、そこに生活する人相手の市場なら時間が違うだろうし、観光客相手の店なら通りが違うのだろう。ただ、びっしりと隙間なく並ぶ、長崎の中華街とはまるで違うプラナカンスタイルの古い建物は決して日本では見られない感じであり、シンガポール旅行に来ているのだという実感を湧かせてくれる。そうか、そこに住む人そのものはともかく、他の国に見られるチャイナタウンとは、建物の外観が違うんだ。「チャイナタウン=長崎中華街」と勝手に想像していたことが敗因だ。

 明さんのガイドで、通りの反対側に目を向けると、エメラルドグリーンに塗られた二つの塔が空に向かって伸びたような姿のイスラム教のモスクが見える。そしてほんの数軒先には、神様をかたどった極彩色の焼き物の人形が門の上に積み上げるように並べてあるヒンドゥー教の寺院がある。いずれも極端なほどに外観が異なり、大変目を惹く建物で、大いに興味をそそられる。観光客の見学も受け入れているのだそうだが、入る際のマナーが求められるので注意が必要だと明さんは言う。そうだろう。宗教施設だ。そこで祈りを捧げる人々にとって、何物にも代えられない神聖な場所だ。たとえ信者の人々が寛容であったとしても、軽い気持ちで振る舞い、知らなかったでは済まされない空気があることは、カナダで経験したラマダンのイフタールで学んだ。そして今から向かうのは仏教の寺院だという。イスラム教、ヒンドゥー教に仏教かぁ。これがシンガポールなんだ。

 まもなく、今度は巨大な仏教式の建物「佛牙寺(Buddha Tooth Relic Temple)」が見えてきた。なんで牙なんだろう。後で調べたら、スリランカにある有名な「佛歯寺」に基づいて建てられたもので、この佛歯寺にはブッダの歯が納められているのだそうだ。牙とは歯のことなのか。だからToothか。

393_2
  他の通りにもきっと国際色豊かな施設が並んでいたのだろう

391_3 392_2
    イスラム教のモスク         ヒンドゥー教の寺院
     「Masjid Jamae」        「Sri Mariamman Temple」

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.07

シンガポール旅行記 その38

 集合時間となり、バスを停車させている場所まで少し歩く。明さんのそばにいるといろんな話が聞けるので、できるだけ離れないようについて行く。フラートン・ロードを歩くと、左前方にナショナル・ギャラリー・シンガポール(National Gallery Singapore)が見える。旧最高裁判所の建物が、今では美術館として利用されている。この時、日本の芸術家、草間彌生さんの作品展が行われていたようだ。

381

 道すがら、周囲の様子が何とも物々しい事に気づく。道路沿いには金網が張られ、カーブには紅白のガードレールが。大規模な工事でも行われているのかと思いきや。

 「これは、F1の準備してます。9月にここをF1が走りますよ。」

 えっ!? ここでF1やるの? (゜Д゜)

 2017 FORMULA1 SINGAPORE GRAND PRIXは、2017年9月15~17日にシンガポールのマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで開催される。シンガポールは毎年、F1の会場になるのだそうだ。しかも専用のサーキット場ではなく、ストリート。モナコグランプリはテレビで見たことがある。いや、走ったこともある。(プレステのグランツーリスモ4で。)特別熱心なF1ファンというわけではない私なので、シンガポールでストリート・レースをしているとは知らなかった。

 すぐそばで舗装道路の様子を眺めても、日本のそれと特に変わりはない。テレビで見た鈴鹿サーキットの特集では、「サーキットの路面は、タイヤのグリップが効くように、一般の道路とは異なる特別な舗装にしてあります。」と言っていたような気がするが、こんな路面でスリップなどしないのだろうか。いや、もしかしたらそれがストリート・サーキットの醍醐味と、ドライバー達はわかってて運転しているのかもしれない。

382
   「マリーナ・ベイ・ストリート・サーキット」っていうか、普通の道

383
      開催期間の夜は、町中に爆音が轟き渡っているのだろう

 興味が湧いたので、F1シンガポール・グランプリをネットで調べてみた。シンガポール航空のツアー料金は、羽田発3泊4日で168,000円~273,000円。観戦席のお値段は、

   スーパーピット   110,000円
   ピット/ターン    90,000円
   コンノート     43,000円
   パダン       33,000円
   スタンフォード   23,000円
   ウォーターフロント 13,000円

 ううん、さすがにお安くはない。というか、F1観戦の料金など初めて知った。

 もちろん、F1に興味がある人はレースそのものが気になるのだろうが、聞けばF1開催を通して、国中がお祭り状態になるらしく、2017年はデュラン・デュランやアリアナ・グランデのステージもあるのだそうだ。鑑賞のチケットはF1観戦の料金に含まれているので、飲んで騒いでが好きな人には垂涎のイベントなんだろう。いや、かく言う私も、本当は是非見てみたい。

F1シンガポールGPで壮絶クラッシュ
 モータースポーツ最高峰F1のシンガポールグランプリ(GP)決勝が17日(日本時間18日)に行われたが、スタート直後の1コーナー手前で上位3台を含む4台がクラッシュする波乱の展開となった。フェルスタッペンとライコネンが接触、アロンソを巻き込む大クラッシュに発展。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」はこの模様を「大災害」と報じている。(2017年9月18日 THE ANSWER)

 帰国後、YOU TUBEでレースを観戦した。どうやら雨の中のレースとなったようで、スタート直後に大クラッシュ。何とも狭いせまい道を走るレースなので、接触や事故なしなど望めないような気もする。この道でどうやって抜くんだろうって、そればっかりが気になる試合だった。本当に大変なレースなんだ。

384
   クラッシュシーンを見ると観客は喜ぶの?悲しむの?

 しかし、この期間、国の中心部の交通が完全に麻痺するんだろうけど、シンガポール国民の普通の生活への影響は大丈夫なんだろうか。国民の日常生活より、観光立国としての発展が優先か。

 グランツーリスモでは東京の街中を走り回ったが、結構楽しかった。日本でもストリート・レースしてくれないかなぁ。無理か...。

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.02

シンガポール旅行記 その37

 次に向かう目的地は、かの有名な「マーライオン(merlion)」である。例によってたいして離れてはいないはずなのだが、さっきと同じような感じで遠回りぎみに向かっている。もはや何も感じなくはなってきているが、お陰でどこに向かっているのか、車窓からの風景を見るだけではよくわからなかった。(あとで地図で見たら簡単だったのだが。)

 相変わらず明さんの饒舌なガイドが続く。

「次はみなさん有名なマーライオンに行きます。みなさん、ご存知な人もいますが、マーライオンは一つじゃないです。大きくて立派なのはセントーサ島のマーライオン。これは立派。でも有名は今から行く方。でも観光の人、よく、『これ? 小さいね。』って言ってがっかりするね。がっかりしないで。日本もがっかりの観光地ある。北海道の札幌の時計台、行ったらがっかりする。それと同じ。」

 行く前からがっかり対策か。がっかりしないと思うんだけどなぁ。

 ナショナル・ギャラリー・シンガポールの前にバスを停め、そこから徒歩で向かう。観光客と思われる人の賑わいが感じられる。マーライオンに近づいているのがわかる。おそらくもう目と鼻の先だ。

371 372
       マーライオンのすぐそばにあったタマリンドの木

 天然記念物のタマリンドの木のところで解散して自由行動。階段を降り、橋の下をくぐって海の方に向かって歩くと、そこには想像通りの姿があった。

373
         摩天楼が背景を埋め尽くす中にポツリとある

379_3
  対岸にはマリーナ・ベイサンズが見える絶景ポイント

 以前は、本当に海岸の所にポツリと設置されていただけだったらしく、主にマーライオンの後ろ姿しか見られなかったようだ。その後、観光客が増え、水をはき出す正面からの姿が見やすいように、海にせり出すような観光・撮影エリアが増設されたとのこと。周囲にはレストランやカフェが建ち並び、お土産屋さんもあるので、寂しい感じはどこにもなく、見事に観光スポットになっている。マリーナ・ベイサンズもきれいに見えるし、夜はもっときれいだろう。がっかりだなんてとんでもない。

 周りを見ると、おそらくは半分くらいは中国人だろう。みんなここに来て写真を撮ると、とりあえずシンガポールに来た証拠ができあがる。みんな、

 「ゴクゴク」 (マーライオンがはき出している水を口で受け止める) や

 「よっこいしょ」 (マリーナベイサンズを下から持ち上げる)

な写真を撮ってたので、私たちもしないわけにはいかない。旅には、定番の場所に行き、定番の食事をして、定番の買い物をすることも大事だったりするのだ。このバスツアー自体、それが目的なのだから、

 「まぁ、らいおん!?」 (マーライオンの横でびっくり顔のポーズをとる。)

ってやってこないと、あとで後悔する。
(撮った写真は恥ずかしいので非公開。(^_^;))

 ウィキペディアによると、11世紀にマレーシアの王族が対岸に見える大地を目指して航海の旅に出た際、途中で海が激しく荒れ、王族が被っている王冠を海に投げたところ、海は静まり無事にその大地にたどり着くことができた。その時、ライオンが現れて、王族にその大地を治める事を許して立ち去った。王族は、その大地を「ライオン(Singa)の都市(Pura)」を意味する「Singapura(シンガプーラ)」と名づけ、マーライオンを国の守り神として祭った、という伝説があるそうだ。

 明さんが言うには、「シンガポールは水がない。水は豊かさの象徴。以前、マーライオンの水停めてた時期あった。国民、がっかりした。今はずーっと水出してる。マーライオンが水をずーっと出し続けるの大事。」だそうだ。なるほど。

 ずーっと見ていられる観光スポットではないが、やはりここに来ずしてシンガポールは語れない。なんだか目的の半分くらい果たした感さえするひとときだった。

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.12.23

シンガポール旅行記 その36

 ガーデンズ・バイザベイの駐車場に到着。私達を下ろすと、バスはすぐにいなくなった。ここには駐車スペースは無いらしく、時間が来たらまたこの場所に戻ってくるのだそうだ。ガーデンズ・バイザベイを楽しんだ後は、この場所に集合か。

 明さんの先導で、ついに敷地の中に入る。

 うわぁ、スーパーツリーだぁ。シンガポールに来たんだなぁ。(´д`)

361 362
 ここ、ゴールデンガーデンのツリーは、スーパーツリーよりちょっと小さめ

 曇り空が玉にきずだが、それでも心待ちにしていた姿に大感激。前日までの希薄な海外旅行感がここに来てやっと消え去り、一気にシンガポールに飛び込んだ気がした。ここに来る前に見たガイドブックの影響で、私の頭の中は「シンガポール」=「スーパーツリー」になっていた。向こうにマリーナベイ・サンズも見える。なんてゴージャスな風景だ。もはや、こここそがシンガポールだ。ここのツリーは夜のライトアップされた姿が売りらしいので、それはまた明日にでも見に来るとして、今は植物園を楽しむ時間である。

 シンガポールの空気を目一杯吸い込んで味わい、かみしめながら、施設の奥へと歩みを進める。地元の幼稚園の園児達が先生に連れられて見学に来ている。子供たちの顔も、多民族国らしくバラエティーに富んでいた。そう言えば、カナダでも博物館で見学に来ていた小学生の列について歩いて回ったなぁ。所どころでカナダでの体験を思い出す。(「カナダ旅行記 その44」)

363_2

364 奥に見えていた半球状のガラス張りの建物のそばに到着。ここには二つの施設があるのだが、どちらか一方しか見学する時間が無いようだ。

 「フラワー・ドーム」 と

 「クラウド・フォレスト」

から1つを選ぶように言われたので、なんとなくクラウド・フォレストを選択する。

 クラウド・フォレストは、シンガポールの熱帯雨林を再現しているいる施設である。熱帯雨林と言っても「低温多湿」にしてある感じで、中に入るとひんやりと涼しい空気が漂っていた。
365
  チケットには両側に切り取る部分があったが、片方だけがもぎ取られた。
  本当はこれで2つの施設に入れたのかもしれない。

 まずは一気にエレベーターで6階までのぼり、そこからちょっとだけ階段を上って、人工の山の頂にたどり着く。施設は総ガラス張りなので周りの風景がよく見える。この施設内にいる間、ずっとマリーナベイ・サンズが見えていた。

 そこから、35mもの高さがある人工の滝が階下へ真っ直ぐに流れ落ちており、それを取り囲むように、ジェットコースターのコースの様なくねくね道(クラウド・ウォーク)をゆっくりと歩いて降りる。滝のミストとシンガポールの自然を楽しみながら、空中散歩する感じだ。道の一部は透けているので高さを実感できるし、周囲の景色は実にすばらしい。途中、滝の裏側から滝を見ることができる場所もある。

366_2
         高所恐怖症の人は目が回るかもしれない

 長崎バイオパークにも同様の施設はあるが、熱帯雨林感やら爽快感はその比ではない。たぶんフラワー・ドームじゃなくて、こっちの方を選択して正解だった。

 クラウドウォークが終わると、鍾乳石やクリスタルが展示されているスペースがある。学生のための学習施設と思えばそれもありかもしれないが、爽快な体験の後にマニアックな標本はいらない。

 出口はギフトショップにつながっている。ガーデンズ・バイザベイのオリジナルグッズや、植物にちなんだ商品がたくさん並んでいた。この施設の外にも売店があり、ここで旅の記念の買い物をする。

368
  南国らしいカラフルなお人形      シンガポールらしさは満点

 年を取るにつれて、お土産の選択に厳しくなっている気がする。衝動買いなどまずない。Tシャツや帽子など、もっと気軽に買っていいと思うのだが、「本当にいるのか? それ、日本で着られるのか?」などと自問自答すると、なにも買えなくなってしまう。
369
 そんな中、ほぼ一目惚れのようにして買ってしまったのが、この額である。木の板を薄く削って貼り合わせたようにして作られている絵で、シンガポールの思い出をいつまでも思い出させてくれそうな気がした。家の壁に飾って、毎日のように眺めて暮らしたいと思った。私の買い物としてはやや高い方なのかもしれないが、それほど気にならなかった。これはカードで買うことにした。現金は少しだけ温存しておこう。今でも良い買い物をしたと思っている。

 小一時間の滞在時間はあっという間に過ぎた。足早にバスの停留所に戻る。

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.12.11

シンガポール旅行記 その35

 現地、カラフル観光のオプショナルバスツアーは次のとおり。

 1 ガーデンズ・バイザベイ
 2 マーライオン公園
 3 チャイナタウン散策
 4 ランチ
 5 アラブストリート散策
 6 リトルインディア散策
 7 マリーナ・ベイサンズで解散(15:00予定)

 長い期間滞在するのであれば自由に見て回る方が楽しいのだが、短期の滞在の場合、公共の交通機関を使った移動には時間がかかるし、土地勘がなく迷ったあげく、大した観光もできなかったなどということがあったりするもの。満足度の密度を高めるには観光バスが一番。私の母の教えである。このツアーで、ざーっとシンガポールの典型的な観光地を回れるので、もう一度ゆっくり見てみたいと思ったところを最終日にもう一度回るという計画である。後で振り返ってみても、結局のところ、正解だったように思う。

 最初の目的地、ガーデンズ・バイザベイを目指してバスは出発した。ここまで来るのにずいぶん時間がかかったし、ずいぶん待たされた。やっと待ち望んでいた観光が始まる。ガーデンズ・バイザベイは目の前にあるので、ほんの2~3分もあれば到着するだろう。

 ん? えっ!? そっちに行くの? いや、そこに見えてるのがガーデンズ・バイザベイじゃないの?(゜Д゜) バスはガーデンズ・バイザベイを横目に、明らかにどんどん遠ざかる。どんどん、どんどん...。

 この頃になって、やっと抱えていた妙な違和感が何だったのかがわかった。この国の主要道路は、そのほとんどが「一方通行」になっているのだ。この半日間、道路ですれ違う車をほとんど見ていなかったことが違和感の原因だった。交通事故を減らすための国の政策なのだろう。おそらくはこの道路もそうで、ガーデンズ・バイザベイの方向に行きたくても、今来た道をわずか500mほど引き返せないため、大きく回り道をしなければならない。なんてこったい。そこに見えているあそこに行くだけだというのに、どれだけ回り道をしなければならないのだ...。

351_2
      青が最短距離、赤が回り道したルート。なんてこったい。

 推定距離5kmの回り道である。ホテルを出てからそろそろ1時間は経つ。はやる思いを抑えきれなくなってきた。イライラしてはいけない。ここは日本でもないし、何より楽しい旅行中なのだ。

 バスが街中を走る間、明さんはひたすらマシンガンのように話しまくる。シンガポールという国のこと、建国の父と呼ばれたリー・クアンユーのこと、民族のこと、歴史のこと、文化のこと、ついでに自分の職歴のこと...。

「シンガポールは小さい国。何も無い。資源は人だけ。人が宝。だから教育に力を入れてる。大学生はどんどん外国に留学して勉強する。だから、マレー語じゃなくて英語を公用語にして、みんな英語話すようにした。外国で勉強する。シンガポールに戻って国を良くして欲しい。でも、若い人が世界中に行って若い人少ない。若い人戻ってこない。なぜ? 住むところはある。国がマンションを建てて住むとこ作った。ある。でもシンガポールでは車買えない。車とってもとっても高い。デートするとき車無いは嫌ね。ガム食べられない。ダメなこと多い。だから若い人、シンガポール帰ってこない。働く人、少ない。だから、マレーシアや中国、インドから労働力来る。多民族国家になるね。言葉、英語大切。シングリッシュ話す。(笑) 仲良しだけど、時々喧嘩する。若い人、大学行って勉強するからきつい仕事嫌。若い人いないと子供できない。年寄りばっかりの国になる。難しいね。」

リー・クアンユー(Lee Kuan Yew、李光耀、りこうよう)
 シンガポールの初代首相。就任以降、長期にわたり権威主義的政治体制、いわゆる「開発独裁」を体現し、独裁政権下ながらシンガポールの経済的繁栄を実現した。2015年3月23日没。

 どうやらこの人のことを抜きにシンガポールは語れないようだ。歴史に疎い私にそれを雄弁に語れる知識は無いのだが、この旅の中で学んだレベルで表現すると、かなりの独裁的政治を繰り広げた人物のようだ。知人の言葉を借りると、「シンガポールは明るい北朝鮮」だとか。指導者の部分だけに関する比喩だろう。クアンユーがなした政治の結果である今を見る限り、人々はその過程を振り返ってそれを肯定している。ジェンが「シンガポールの選挙はまったく盛り上がらない。みんな、選挙をしても現状は変わらないと考えているから。」と言っていた。日本人もよく同じようなことを言う。小さな点はともかく、大きく見ると、戦争や貧困がない現状に不満がないからそうなるのだろう。シンガポールという国はうまくいっているんだと思う。すばらしい指導者だったんだろうなぁ。

 小さい国であるが故に先進国とは呼ばれていないのかもしれないが、シンガポールは日本と比べても、なんら引けを取らない進んだ国に見える。資源に乏しく、特に水資源の確保に関してはマレーシアに弱みを握られている構図になっているし、エネルギー資源が無く、製造産業の規模も大きくないことから、情報、金融、輸送、観光、教育などのソフトを生かした部分に力を入れている。特にこの旅で観光と教育の一部分を見聞し、一層シンガポールの発展した考え方、その半強制的な実践力に驚いた。分野によっては、アジアナンバー1は間違いなくシンガポールなんだろう。明さんに、「シンガポールはすごいですね。日本の東京みたいです。」と褒め言葉のつもりで言ったのだが、彼女の顔は軽ーく不満げな表情に見えた。心の中では「東京より上だよ。」と言っている気がした。

 自家用車の氾濫による渋滞、事故、公害を減らすため、自動車取得に法外な税金をかけたり、街をきれいにするために街中でのガムや飲食を制限したり、国の国際化を図るため英語を公用語にしたり、国を作り替える第一歩として、人々に住居を与えるべく大量のマンションを作り、安くで国民に提供したり、国そのものをテーマパークにして観光客を招き入れるための街作りをしたりと、施策はあくまで国民のより良い生活を考えてのことであることがわかる。北朝鮮とはやり方がまったく違う。それでも、新たな問題が発生し、悩みは尽きないというのだから、政治・国作りというものは本当に難しい。(シムシティーも桃太郎電鉄も難しかった。)

 良いリーダーがいると国は良くなるのだろう。どうやったら良いリーダーだと見抜けるのだろう。どうやったら汚職が発生しないかは、システムでは無く、良心に委ねるしか無いのか。たまたま彼は良い政治家だったのか。それとも良い政治家を生み出す基盤作りに、普遍的なアイディアがあるのか。社会のことに疎い私が、答えは出せずとも、そんなことをちょっとでも考える機会と時間を与えてくれたシンガポールに感謝である。

 さて、バスはその5kmほどの遠回りをする間、マリーナエリアにある最高裁判所の前を通過し、朝方に通った道に戻る。たぶん、もうちょっとでガーデンズ・バイザベイのはず。今度こそ。心をワクワクモードにする。

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.12.06

シンガポール旅行記 その34

 ツアコンは、おそらくは中国系と思われる60代くらいの女性。シンガポールは中国系のプラナカンで占められているのがよくわかる。中国訛りはあるが、結構な早口の日本語である。後ろから詰めて座れと言われたが、中はがらがらで、カップルが一組乗っているだけである。この後、たくさん乗ってくるのだろう。指示通り、一番後ろの方に座る。車は大きめの観光バスで外観は悪くなかったのだが、いざ席に着こうとすると、背もたれの一部にほころびがあったりもする。とりあえず適当な席に座り、背もたれに体重をかけると、後ろに倒れるように沈み込む。妻の席はそうでもないところを見ると、リクライニングが壊れて固定されないようだ。

 「みなさん、オハヨウございます。私、HISの明と言います。よろしくお願いしマス。あっ、そんなに後ろじゃなくてもいいですよ。私の日本語、わかりますか? 大丈夫? ハイ、それじゃ出発しますね。」

 なにやら観光バスの場合、前の方と後ろの方の席では保険の額が異なるらしく、経費削減のためか、一杯でない限り、前の方には座らせないらしい。詳しいことはわからないが、ぎちぎちに後ろに詰めて座る必要がないということはわかったので、背もたれがまともな席を探してちょっとだけ前に移動する。

 バスは、オーチャード・ロードを東へ進み始める。途中、別のホテルで乗客を拾い、マリーナベイ・サンズで最後の客を乗せてから、今日の目的地へと行くようだ。

 うっすらと雲がかかった曇り空の朝である。真夏の赤道直下での観光ゆえに、射すような日差しがないのはちょっとだけありがたい。8:30の街には都会の喧噪がただよっていたが、日本のそれに比べると息苦しさがない。人の数の違いだろうか。いや、それもあるが、わずかだがリズムが違う。人々の動きに焦りにも似たスピード感がない。道路沿いの建物は、おそらくは高層マンションだろう。20~30階建ての、それでいて割と細身の建物が林立しており、所々で工事が行われている。道路にも黄色と白、黒と白の立体的なガイドライン。これもまた工事の途中感を醸し出しているのだが、こちらはもしかしたら常設されている設備なのかもしれない。

341 342
  まるでF1のサーキットみたい   車窓からの風景をぼんやり眺める

 途中に立ち寄ったホテルの名前は思い出せないが、近くには学校や教会があり、緑に囲まれた閑静な通りを通った。バスの中から撮った写真に「チャーチストリート」の表示があるので、最後はチャイナタウンをかすめるようにしてマリーナエリアに入ったのだろう。左手に海が見えた。

 「あれがマリーナベイ・サンズ。あれがマーライオン。あとで来ます。」

 明さんが促す方向を見た。マリーナベイ・サンズは大きな建物なのでここまで来るとよく見えるのだが、マーライオンはやや離れたところにあり小さかったのですぐに建物に隠されてしまい、見えたのは一瞬だった。まあ、後で行くのでその時の楽しみに取っておこう。

 マリーナベイ・サンズに到着する。建物が近づくと、各部屋のバルコニーの様子が割とよく見える。おそらくどの部屋からも、すぐ南側に横たわるガーデンズ・バイザベイとその背景に広がるシンガポール海峡が一望の下に見渡せるのだろう。ここに宿泊すること自体がシンガポール旅行の目的になっている人たちがたくさんいるのだろう。次の機会があればそうしてみてもいい。

 駐車場入口にバスは吸い込まれる。殺風景な駐車場内でここに宿泊していたこのツアーへの参加者が乗り込んできた。しかし、明さんがなかなか乗車しない。どうやら予定された客が2~3組来ていないようだ。しばらく待たされたが、しびれを切らし、明さんがバスに戻る。来なかった客を置いて、バスは出発した。

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.12.03

シンガポール旅行記 その33

第2日目

 何時間寝たのか。頭も体もすっきりなのだが、長く寝たわけではない。これも緊張ゆえのことか、それともわくわくする心なのか。無理に寝る必要はない。ベッドの上でiPadのマップを眺めつつ、地図を頭に入れておくというよりは、今日やってくるであろう出来事を想像してみる。いよいよ、本格的なシンガポール観光の始まりの日である。

 ところで、部屋のトイレで気づいたこと。それは便座の高さ。以前、「世界の日本人妻は見た!」の番組で、オランダで過ごす日本人女性が「便座が高くて、自分が一段と小さくなった気分になる。」 と言っていた。オランダ人はみんな背が高いので、彼らに合わせたサイズの便座は、その女性が座ると足が床につかないらしい。このホテルのトイレに座ると、身長175cmの私もぎりぎりで足が床につかない。妻など、足をぶらぶらさせる感じだろう。町を見渡した限りでは、シンガポール人が特別背が高いとは思わなかった。外国人用サイズなのかもしれないが、ここにも「外国人=欧米人=背が高い」の法則があるのだろうか。

 今日の最初は観光バスツアーだ。ホテルのロビーに8:30に集合することになっているので、少し早い気もするのだが、7:00過ぎに朝食を食べに行く。5階にあるレストラン「トリプル・スリー」で朝食ビュッフェだ。

331

 すでにかなり多くの人々が朝食を取っている。どこの国のものかよくわからない言葉が飛び交っていて、案外騒々しい。日本だと洋食と和食のメニューが並ぶところだが、ここでは、洋風のブレッド・フルーツ・ベーコンエッグなコーナーはもちろん、中華風、インド風、マレー風、ベトナム風、そして和風の料理が、かなり広めのスペースに分けてずらりと並んでいる。ここにもシンガポールらしさがあふれている。インド料理は何となく見た目でわかるのだが、東南アジア各国の料理は明確に線引きできるだけの知識がない。料理名も良くはわからないが、とりあえずエキゾチックなものをできるだけたくさん味わいたいと思い、少しずつ皿に取って試してみた。辛めのナンプラーを加えたフォーや、スパイシーな魚やチキンの料理が結構おいしかった。あまりにいろんな種類の料理がありすぎて、何を食べたのか思い出せない。覚えているのは、妻が「普通のコーヒーが飲みたいのに。」と愚痴っていたこと。コーヒーはおそらくはネスカフェと思われるインスタントしかなかったからだ。この高級感あふれるホテルのレストランには似合わない感じがするのだが、外国ではインスタントコーヒーもOKなんだろうか。

 食事を終え、部屋に戻ろうとしてエレベーターの方に向かうと、床にお札が落ちているのを見つけた。20ドル札が2枚。誰かが慌てていて落としたのだろう。フロントに戻って預けようとしたが、フロントには人が並んでいて、すぐにはホテルスタッフに声をかけられない。お金を預けるだけなので、やや割り込む感じで、お金を差し出しつつ声をかけようとすると、

 「両替ですか? だったら、あちらの方でお願いします。」
 「いや、両替じゃなくて、拾ったんです。」
 「(・_・)ん?」
 「だから、私のじゃなくて、エレベーターの前の所で拾ったお金を預けたくて。」

 複数名のスタッフが、かなり怪訝そうにこちらを見ている。たぶん英語が通じていないのではなく、理解されていない。「この日本人は何をしたいのだろう?」って顔に書いてある。そうか、もしかしてお金を拾って届けに来るという行為が不思議なのか。もしかしたら、ものすごく怪しまれてる感じ? でも日本人にとってはこれが当たり前なのだよ。これを懐に入れるわけにはいかんのだよ。ツアーの集合時間も近づいていたので、議論している暇はない。彼らも今ひとつ納得していなかったようだが、ほとんど、「じゃ、ここに置いていくね。」といった感じで、日本円にして約3,500円くらいのお金を彼らに託す。落とし主は出てこないんだろうね。きっと。

 部屋に戻り、出発の準備を整える。集合時間まで15分。さあ、部屋を出ようとしたまさにその瞬間、フロントから「集合のお時間です。」との電話が入る。日本並みにせわしないなぁ。急いで1階のロビーに行くと、すでに観光バスの添乗員が待ち構えていた。「カラフル観光のお客さんネ。ハイ、あの大きいバスに乗ってネ。今日はお客さん、たくさん乗るので、後ろの席の方から座って下サイ。」 今日の前半の行事、観光バスツアーがいよいよ始まった。

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.11.29

シンガポール旅行記 その32

 さすがに疲れたね。コンビニで買い物してホテルに帰るか。いつまでも眠らなさそうな通りにコンビニを探しながら、ほんの少し歩みのペースをあげる。しかし、先ほどまであんなに見かけたのに、探すとなるとコンビニは見つからない。「マーフィーの法則」というやつである。(なつかいしい。)仕方なく先ほど見たセブンイレブンまで行ってみることにしたが、これが案外遠かった。いや、大した距離ではないはず。やっぱり、疲れているんだ。途中の様々な誘惑を必死に振り切る。

 セブンで、タイガービールとつまみになりそうなスナック類を買う。そうそう、あのポッカの緑茶も忘れずに。日本人はミネラルウォーターではなく、無糖の緑茶だ。妻はチョコレートも買っていたようだ。さぁ、今度こそホテルに戻ろう。

 ホテルが近づいてきた。うわっ、ちょっとまて。あのホテルの脇にあるのは...セブン・イレブンじゃないか。(゜Д゜;;) やられた。建物の影になってて気づかなかった。歩き損..じゃなくて運動もうけということにしておこう。やっぱりこの国でも、コンビニはいたるところにある。

 部屋に戻って、シャワーを浴びる。風呂上がりに、楽しみだったタイガービールをいただく。昼間に我慢していた分、本場で飲むそれは格別である。しかし、タイガービールよりもっともっと楽しみにしていたものがある。テレビである。おそらく滞在期間がもう少し長かったら、「今日は一日、ホテルに閉じこもってテレビを見よう。」と言ったに違いないくらい見たい。

 昔、アメリカ人の友人タッドが、実家から送ってきたというテレビ番組を録画したビデオを貸してくれたとき、中身のあまりのおもしろさに完全にはまってしまった思い出がある。ドラマ番組ではなく、CMにである。今ではCMだけではなく、ニュースやバラエティー、教育ものなども含めて、海外の国の放送がどんなものなのか、日本とどう違うかに興味がありすぎるくらいある。カナダに行った時も、朝早く起きて一人でテレビを見た。残念ながらカナダではテレビを見られた時間はほんの30分ほどしかなく、その間に見られたのはニュースとドラマくらいで、一番見たいバラエティーと見たかったような種類のCMには出会えなかった。報道番組もちょっとかたい感じがして、興味が持てるものではなかった。どうやら、このホテルで見られる放送は地上波ではなく、いわゆるケーブル放送のようだ。チャンネル数は多いのだが、ジャンルで分けられていると言うより、民族で分けられている感じがする。英語、マレー語、中国語、イスラム語、ヒンディー語、ついでに韓国語と日本語のチャンネルがある。さすが多民族国家。日本語のチャンネルはNHKと日本のドラマを放送していた。各チャンネルの内容はニュース、ドラマ、アニメなど様々なのだが、地上波ではない分、CMが挟まらない。しかも、どこに変えてもバラエティーっぽいものが見当たらない。本当は一番、バラエティーを見てみたいのだ。そこにこそ、国民性が表れると思うからだ。日本のバラエティー番組は、おもしろいもの、下劣なもの、勉強になるもの、当たり障りのないものなど幅広い。時折、海外のバラエティー番組を紹介するものもあるが、まさにそれを見てみたいのだが、見当たらない。あきらめて、CNNのニュースを見る。トランプがまたいらんことを言って大騒ぎを起こしている。今この瞬間はどうでもいい。

321

 高級ホテルのサービスか、はたまた観光国シンガポールゆえか、観光地紹介のチャンネルもある。リポーターによるリポート風に作られており、オススメのお店も紹介している。これはいいアイディアだ。

 ホテルのWiFiを使って、日本にいる娘らに無事を伝える。LINEを使い家族4人で会話をしている。すぐ横にいる妻が打ち込んだ文字は、いったん日本に飛んでから、わずか1m離れた私の所に届いているのだろうか。便利だけど、とんでもなく変な時代だ。

 ちょっとのどが渇いたので、お茶を一口。(@_@)ゲッ! 甘い!カナダで飲んだあの甘さだ。午後の紅茶のあの軽い甘さだ。ポッカじゃなかった。すでに現地化したPOKKAになってる。やっぱり無糖のお茶は日本だけなのか。ちょっとショック。ショックなので、もう寝る。

 1日目、やっと終了。このペースだと100話はいくな...。(^_^;)

(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧