2018.04.14

シンガポール旅行記 その52

 河口付近だがおそらく限りなく川ではない、水をなめたら海水そのものくらいの場所である。雰囲気のある小さな橋が架かっている。後で知ったが、向こう岸に見えていた建物はアジア文明博物館だ。このあたりはいかにも英国風の建物が多く、昔からの中心地なのだろうということがうかがえる。

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        マーライオンまでの道のり

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      あとでこの橋とも知らずに渡ることになる

 フラ-トン・ホテルを回り込むよう進むと、急に車の往来が激しい交差点に出る。そこを横切る横断歩道には多くの観光客風の人々が、信号が変わるのを待っている。たぶん、この道路を渡って向こう側で階段を下れば、マーライオンのある公園にたどり着くはずだ。

 フラ-トンのThe Fullertron Waterboat House の1階にあるお土産ショップに入る。

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    フラ-トンとの関係なんぞここからはわからなかった

 店内にはあらゆるジャンルのお土産が所狭しと並んでいる。お菓子、帽子、Tシャツ、サングラス、置物、壁掛けに民族衣装...。どこの国でも同じだが、ここでも「Singapore」と書かれたラメラメのTシャツが大阪っぽく、いやシンガポールっぽくてよい。買うことはないが、「ぽい」「らしい」というステレオタイプは大切だ。

 私の頭の中では、子供へのお土産はTシャツか帽子が良いと思っていたのだが、ここに来てもなお妻に動きがない。ウロウロと店内を歩きまわりはするものの、一向に買う気配がない。私もしびれを切らしつつ、これはどうか、あれはどうかと具合的な商品を勧めたのだが、「ううん...。」と言うだけでスルーされるばかり。大蔵大臣に逆らって決定するのもなんだし、なによりこの旅は妻のためのものと決めていたので、無理強いはしないことにした。結局、何一つ買わずに店を出た。何のためにここまで来たのか。「地下鉄に乗るためだ。」ということにして、来た道とまったく逆順にたどり、マリーナベイ・サンズのザ・ショップスに戻った。そろそろジェンらと会う時刻が近づいてきた。

(つづく)

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2018.04.11

シンガポール旅行記 その51

 ちょっとだけドキドキしながら券売機前の列に並び、例によって前の人がチケットを買う様子を観察。画面をタッチして、出てきた駅名一覧(または路線図)から目的地の駅名を選択。金額と駅名が表示されるので、とりあえずSingle Tripをタッチ。お金を入れるとチケットが出てきて購入完了。難しくはなかったが、気になるのはやはり利用できる金種に制限がある点。少額のお金しか利用できないというのは、軽ーい不安感が残る。

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         これはRaffles Placeの様子

 駅のホームまでのまわりの様子は日本のそれとまるで変わらない。自動改札もチケットをタッチするだけで通過できるし、案内表示もわかりやすい。ホームまでの距離感もおおむね福岡と同じくらいか。ホームには全て、落下防止のためのフルスクリーンドアが設置されている。列車もすぐに来る。中もとてもきれいだし、乗り心地は良い。

 車内での喫煙禁止
 車内での飲食禁止
 車内への可燃性の液体持込禁止
 ペットの持込禁止
 ドリアンの持込禁止

 あらゆる禁止事項によって清潔さを保っているのだろう...が、ほんとうにペットボトルの水を飲んだら罰金なんだろうか。試してみる勇気はなかった。

 あっという間にMarina Bayに到着。路線が交差しているのだろう。上り下りしながら南北線のホームへと少々歩く。間もなく到着する列車に乗り、Raffles Placeへ。時間はこれまたあっという間。

 駅構内にはいろんな飲食物の売店があり、こうした店をのぞき込みながら歩くのがとにかく楽しい。時間と複数の胃袋があればここで何時間でも過ごせそうなくらい。

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   和風どんぶりのチェーン店 なぜ「ゆきおんな」?


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       今や「BENTO」は世界の言葉か
イベリコ豚丼が10.0S$ (870円)、カツカレー弁当が16.8S$ (1,470円)

 地上に出るとそこは高層ビル群のど真ん中。地下鉄の駅を出るといつもそうだが、この瞬間に方向感覚を失う。特にこれだけ建物に囲まれると、どっちに行くべきかがわからなくなる。わからなくなったついでに、その辺をうろついて街の様子を楽しむ。地図を見直すとおおむね北の方に向かえば良いことがわかる。ビルの谷間のその先に水辺が見える。こっちだ。

(つづく)

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2018.03.30

シンガポール旅行記 その50

 ホテルの1階にはお土産屋さんがある。覗いてはみたものの、妻の反応があまり良くない。Tシャツをはじめ、手頃な金額のマリーナベイ・サンズ・グッズがあるじゃないか。とりあえず後のことを考えると、家族分のお土産はそろそろ買っておいた方がいいんじゃないの? しかし、一向に買う気配がない。

 「まだ時間あるし、もう一回、マーライオンの所に行こうか。」

 妻が言うには、マーライオンのそばにあったお土産屋さんなら、良さそうな物があったような気がするという。それならばちょうどいい。まだ4時を少し過ぎた程度。6時半までにはまだ十分時間がある。地下鉄に乗って行ってみよう。

 シンガポールの地下鉄MRT(Mass Rapid Transit)は主要5路線からなる。新しくきれいで、現在も路線を拡大したり、増やすための工事が行われている。

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 east-west line(東西線:緑)
 north-south line (南北線:赤)
 north-east line(北東線:紫)
 circle line(環状線:黄)
 downtown line(ダウンタウン線:青)

 マーライオン最寄りのRaffles Placeは今いるBay Frontからわずか2駅だが、環状線に乗り、Marina Bayで南北線に乗り換えることになる。いいぞ、いい感じだ。乗り換えこそが電車の旅の醍醐味だ。(旅という距離ではないって。)

 地下にあるMRTの駅に行く。いよいよ、切符の購入だ。これはかなり時間をかけて予習し、検討してきた。なぜなら、シンガポールの交通は思ったよりハードルが高そうだからだ。MRTのチケットは全部で3種類ある。

 Standard Ticket    (スタンダード・チケット)
 ez-link Card     (イーズィー・リンクカード)
 Singapore Tourist Pass (シンガポール・ツーリスト・パス)

 ez-linkカードは、現地在住の人が生活で使うICカードなので、旅行者の私達には用がない。問題は、スタンダード・チケットとツーリスト・パスのどちらを買うかである。

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 スタンダード・チケットは日本で買う普通の切符にあたる。紙でできているカードタイプの切符で、何度も使い回すようになっている。初めて切符を買う時は、目的地までの運賃に10セントが加算された額を支払うと、販売機からこのカードが出てくる。この10セントはデポジットで、3回目の利用の際、この10セントが返却される。といっても、3回目の運賃からディスカウントされるのだが。ついでに6回目の利用時には、正規の価格からさらに10セントが割引されるというおまけ付きだ。無くすとまたデポジットが必要になるわけだが、よく考えてみると10セント(8円くらい)だし、気にするほどでもなかったか。

 一方、シンガポール・ツーリスト・パスは、MRTとバスが乗り放題になる旅行者向けのフリーパス・チケット。1日券がS$20、2日券がS$26、3日券がS$30です。発行から5日以内に返却すると、この価格に予め含まれているS$10のデポジットが返却される。

 果たして、何回MRTやバスに乗るのか、今ひとつ読めない。実はこのツアー、ホテルから主要観光地までの無料シャトルバスがついていたのだが、自分たちの行動計画に時間が合わない上に、バス乗り場がホテルから少々離れていたため、そのサービスを全く利用しなかった。日本国内でも、初めての地でバスに乗るのは勇気がいる。おそらくは地下鉄を利用することになるだろうと思っていた。

 最初は、観光ガイドに書いてあった、「販売機が少なく、渋滞時はなかなか切符が買えない。」や、「販売機はS$10札以下しか使えない。」など、切符の購入に制約が多いので、1日券を買って気兼ねなく乗った方が良いのではなどとも考えた。しかし、こうしたシステム上の悩みはやってみないとわからない。ちなみに、Bay FrontからBay Frontまでの片道料金はS$1.4、後に何度も使ったSomersetまで乗ってもS$1.6というのだから、1日券は使い切れない気がする。結局、そこがポイントとなり、スタンダード・チケットを購入することにした。

(つづく)

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2018.03.20

シンガポール旅行記 その49

 マリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)は、シンガポールのマリーナ・ベイに面した総合リゾートホテルである。2011年に開業というからまだ6年ほどしか経ってない。3つの超高層ビル(高さ200m、57階建)を、屋上にある空中庭園「サンズ・スカイパーク」(Sands Sky Park)で繋げた形となっており、シンガポールを一望できる展望台として、観光名所のひとつとなっている。単なるホテルではなく、世界最大のカジノを中心に、2,561室のホテル、コンベンションセンター、ショッピングモール、美術館、シアター、グラスパビリオンなどを含んだ複合リゾートであるが、この施設を有名にしたのが、何と言っても屋上プール(150m)であろう。

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 エッジに沿って伸びる細長いプール まさに空中庭園

 明さんが言うには、マリーナから見て右側の「タワー1」がもっともグレードが高いのだそうで、一般庶民が背伸びして泊まるのが、おそらく左側の「タワー3」なのだろう。サンズ・スカイパークの空中庭園は、タワー3の屋上にある。タワー3の1階に行き、スカイパークへの登り口を探す。それらしきところに行くと、係員から「こっちじゃない。いったん外に出なさい。」と言われて、建物の外に出ると、チケット売り場があった。

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 わずかながら列ができており、チケット購入までの心の準備。なにせシングリッシュがわからない。相手が話す内容をある程度予測しておく必要あり。しかし、チケットを買うだけだったので、やりとりはなく、無事チケットを購入できた。入場料(エレベーターの利用料?)は大人一人あたりS$19.6 って1,700円か。結構するなぁ。

 新しい建物なのでエレベーターの乗り心地もスピードも良好。あっという間に展望台に到着する。建物から一歩外に踏み出すと、ガラス張りのフェンス越しに、午前中に歩いて回ったガーデンズ・バイザベイのスーパーツリーが、そしてその向こう側には、遠くまで広がるシンガポール海峡の水平線が緩やかに弧を描いて広がっていた。

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 なんてすごい風景なんだろう。マラッカ海峡に繋がるシンガポール海峡である。行き交うタンカーが群れをなしている。ここが中東と極東を結ぶ交通の要なのだということを、このパノラマは一目で教えてくれる。地理は教科書で学ぶものではないということか。やや傾いてきてはいるが、頭の上の方から刺すように降り注ぐ赤道直下の日差しは確かに暑いのだが、日陰に入ると、海から吹く風と相まって、ひたすら心地よさを与えてくれる。なんて凄い風景なんだ。大阪の「あべのハルカス」で見た風景も凄いと思っていたが、それを遙かに超えている。

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 隙間から手を伸ばして撮ると、めまいのする風景が撮れる

 東側に回ると、巨大な観覧車「シンガポール・フライヤー」が見える。最初はこの観覧車の方に目を奪われていたのだが、その足下をよく見ると、F1サーキットコースと観覧席があった。上から見ると、F1のコース全体がよくわかる。F1開催期間中は、ここは絶好の観戦席になるんだろう。

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 さらに北側に回ると、マリーナエリアがよく見える。先ほどマーライオンの背景にこの建物が見えていたわけだから、当然こちらからも向こうが見えるはずなのだが、いざ200mの高さからだと、かのマーライオンも米粒のように小さく見えてしまうのだ。

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中央にマーライオン 右手前はアートサイエンス・ミュージアム

 赤道直下のシンガポールではあるが、滞在中に日差しを感じたのはこの時だけだった。インフィニティ・プールを見学して涼もうと思ったところ、こちらからはそのエリアには入れそうにない。利用は宿泊者だけだと知っていたが、見るだけはできるということだったのでちょっとだけ楽しみだったのだが。せめて、オープンデッキのスカイバーでソフトドリンクでもと思ったら、ここも入れそうにない。ううん...お金出すから、入れてくれないかなぁ。

 あきらめてデッキの売店でジュースと水を買って飲む。本当は冷たいお茶が良かったのだが、甘いのは嫌。まだミネラルウォーターのほうがまし。ファンタオレンジがS$5、ミネラルウォーターがS$4。まぁ、そんなところか。

 風景はずっと眺めていたかったが、そろそろ立ちっぱなし、日に当たりっぱなしはきつくなってきたので、とりあえず下に降りることにした。

(つづく)

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2018.03.16

シンガポール旅行記 その48

 時刻は午後4時。ジェン夫妻と落ち合う予定の6時半まで、まだ2時間半もある。ザ・ショップスでの買い物は、身分違いでまず無理。とりあえず建物の外の日陰にあるベンチに座り、次の行動の作戦を練る。そう言えば、「アートサイエンス・ミュージアム」が目の前だ。ジェンが「光を使った3Dの展示物がオススメ」と言ってた。どうしても見たい施設というわけではないが、理科人間にとっては格好の時間つぶしの場であることは間違いない。とりあえず行ってみることにした。

 近くで見るとそうでもないが、離れたところから見ると、建物の外観デザインは実に個性的である。蓮の花を思わせる両手の10本の指をイメージして建築されており、「シンガポールの歓迎の手」と称されているらしい。どこまでも見事なアジアを代表する観光都市、いや観光国家シンガポールである。

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   蓮の花ってところがアジア的で良い

 入口らしき部分の前の広場では、多くの人たちが夕方前の時間をくつろいで過ごしている。ベンチに座ってのんびりも悪くないが、せっかくの機会なので見聞を優先する。中に入ると喫茶コーナーになっており、入場料を払うカウンターは地下2階にあるようで、エレベーターに乗って下へと向かう。カウンターには人の列。並んで待ちながら、どのチケットにするかを考える。常設展が一つ、特別展が二つ、複数の展示を見られる組み合わせチケットや、いずれも見られるフリーパスもある。どれも見たいのは山々だが、ここはどれか一つにしておこう。私は、ジェンが勧めていた常設展示の「FUTURE WORLD」が良いと思ったのだが、妻は「Human+」が良いという。カジノの時といい、ここに来て意見が分かれ始めるが、まあ「Human+」にしておこうか。Humanってくらいだから生物系の展示かなぁ。

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       入場料は約1,500円

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      FUTURE WORLD           HUMAN+

 展示会場に一歩踏み入れると、無音に近い静まりかえった空間に、なんとも異様な空気が漂っている。あたり前だが、解説は全て英語で、何となくはわかるのだが、詳細はにわかにはわからない。最初の方は身障者用の装身具の展示かと思えたのだが、半ばから明らかにそうではない奇妙な体のパーツの連続。見るだけの物から触れと言われているものまで。さらにはまるでホンモノっぽい胎児の模型。ううん....。ワカラン。(-_-;)

 何より、アートなのかサイエンスなのか。あいや、ここはアートサイエンス・ミュージアムだった。これが正解なのかもしれない。最初はゆっくり見ていた私達の足は、後半に行くに従い加速したように思う。あっという間にごちそうさまでした。大失敗でした。やっぱりFUTURE WORLDの方でした。

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    理解できるアートとそうでないアートがあることがよくわかった

 こうなったら、口直しに美しい風景でも見に行こう。スカイパークに上るべく、再びマリーナベイ・サンズに戻ることにした。

(つづく)

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2018.03.08

シンガポール旅行記 その47

 私達を乗せた観光バスは、マリーナベイ・サンズの地下駐車場に戻り、ここで解散となる。時刻は14時をちょっとだけ過ぎたところ。パンフレットには終了予定時刻は15時頃と書いてあったので、もう少しチャイナタウンやリトルインディアをゆっくり見て回りたかった...という思いがこみ上げてきて、ちょっぴり損した気分。ジェンたちとの待ち合わせ時刻は18時半なので、それまでに他の観光地に行く時間が増えたと解釈しよう。

 さて、ここはマリーナベイ・サンズである。ここ自体が観光名所であり、シンガポールのまさに中心である。駐車場から建物の中に入る。佐世保のアーケードくらいの広さの通りが左右に広がり、見渡す限り高級ブティックばかりが並んでいる。どう考えてもここには用がない。(いや、お呼びでない。)

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 手前(下)がマリーナベイ・サンズ、奥(上)がザ・ショップス

 確か、北側のザ・ショップスの建物の中にカジノがあったはず。観光ガイドに、「外国人は入場無料。ドレスコードはあるがスマートカジュアル。休憩がてらにゲームはしなくても雰囲気を楽しむだけでもいい。」と書いてあった。博打には興味は無いが、カジノ見学には大いにある。そのため、事前に入口で行われるらしいパスポートチェックや、荷物預けや服装などの準備を整えてこの時を迎えた。おそらくこの連絡通路の向こう側に行けばカジノがあるはず。

 あった。これがカジノか。入口の雰囲気だけで何となく緊張する。自分の知らない世界には入り込むのには軽く勇気がいるものだ。

 「カジノに入ってみよう。」
 「えーっ、嫌。」
 「えーーっ!? 行こうよ。」
 「嫌。」

 と言う会話で終了。私の目論見は失敗に終わった。orz

 カジノを横目に見ながら道を進むと、ザ・ショップス・マリーナベイ・サンズの中央部に出た。4、5階分のぶち抜きの吹き抜けが左右に見渡す限り続いている。とにかく空間が広い。1階に降りてみる。中央部には運河が作られており、ベニス風の船が動いている。中央部には、天井からザーザーと水が落ちてくる場所がある。縦の空間をうまく利用してある。

 なんか買い物でもしようかと考えてはいたものの、どこもかしこも高級ブランドショップばかりで、おそらくは普段私が買っている商品にゼロを1つ2つ追加したような価格の物しか売っていないようだ。フェラーリショップに入る。うん、正解だ。いや、下手をすると2つでは足りないかもしれない。(^_^;) あまりに場違いすぎて、この広い空間に圧迫感さえ感じ出す。店そのものに興味を失いかけた頃、大事なことを思い出した。今日の18時半にジェン夫婦と会う待ち合わせの場所、レイン・オクルスを確認しておくんだった。再び3階へ移動し、外に出る。

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   ザ・ショップスはデカすぎ       Rain Occulusの下の部分

 レイン・オクルスはすぐに見つかった。池かと思ったら、ここからさっきの1階の運河に水を落としていたのか。とりあえず、ザ・ショップにはあまり用はなさそうだ。ちょっと疲れたので、建物を出て、日陰のベンチで休憩した。

(つづく)

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2018.03.02

シンガポール旅行記 その46

 予定された見学地を全て回り、バスは最終降車地であるマリーナベイ・サンズへと向かう。よく考えてみると、各地を見学する間、ほとんど買い物らしい買い物をしていない。旅程の半ばでもあるし、大きな荷物を持ったまま街を歩き回りたくないという気持ちはあるかもしれないが、改めて自分たちの買い物への堅さがよくわかる。しかし、お土産を全く買わないと考えているわけではない。そんな中、明さんがツアーに付きものの「お土産カタログ」を配っていたことを思い出した。希望する商品の個数を記入し、代金と一緒に解散前に明さんに渡しておくと、今日の夜にはホテルに届けてくれるというサービスである。自分たち用や家族用は、それなりの品を買いたいが、友人、知人へのお土産は定番のお菓子でよい。でもシンガポールの定番がなんなのかはよくわかっていなかった。明さんのオススメはチョコレートらしい。

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「チョコレートは安いのはダメ。美味しくない。それなりの値段のものはとっても美味しい。これはいいチョコレート。しかも街中で買うより安くしてあるからオススメね。」

 こうした売り文句はどこの世界も一緒なので、それだけで飛びつくことはないが、ホテルに届けてくれるというサービスは確かに魅力的だ。半分だまされたと思って買ってみるか。セレクトは妻に任せたところ、マーライオン型のマカデミアナッツクッキーとカヤジャムを2つずつ注文していた。カヤジャムはわかるが、マカデミアナッツと聞くとなんとなくハワイっぽいのでどうなんだろうかとも思ったが、まー(らいおんだから)、いいか。

462 カヤジャムの一箱は自宅用であった。帰国後、トーストに塗って食べてみた。見た目は濃い目のピーナッツバター色といった感じで、やや地味な印象。味はほんのり甘く、さつまいもと栗の中間のような風味で、大してクセはない。若干のざらつき感があるので、フルーツジャムというよりは、粗めに裏ごしした栗きんとんに近いかも。

 最初のうちは「こんなもんか。」というのが正直な感想だったのだが、どうやら私に合っていたか、だんだん美味しいと感じてくるようになった。ただ、毎日食べたいほどではなかったので、瓶入りではなく、この20gほどの小分けされた使い切りパックの商品は大正解だったように思う。しかも、12パックで12S$だったということは、1S$が85円だとすると1,020円。帰国してからAmazonで調べてみたところ、同じ商品の18パック入りが2,000円で売られていた。現地で買うことを含めて考えても、かなりお得だったようだ。もうちょっと買っておけば良かった。

 シンガポールの名物であるこのカヤジャムは、言うなればココナッツジャム。砂糖、卵、ココナッツミルク、パンダンの葉から作られており、「カヤ」とは、マレー語で「豊かな」という意味なのだそうだ。パンダンの葉はバニラエッセンスの役割を果たす香り付けで入れられているようで、これが多めに入ると見た目が薄緑色になるらしい。

463_3 ネットで調べるまでは全く知らなかったのだが、一時期、シンガポールの「家畜伝染病予防法」とやらが原因で輸入禁止になっていたようであるが、今では普通に日本国内でも売られている。「Ya Kun」や「ラッフルズホテル」のカヤジャムが有名らしく、普通は瓶入りで売られている。好みは様々だろうが、もしかしたら一番シンガポールらしくて、軽くて、手頃で、美味しいお土産になるのではないだろうか。これからシンガポール旅行を考えている人にはお勧めの品である。

(つづく)

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2018.02.14

シンガポール旅行記 その45

 おそらくは、リトルインディアの魅力の5%くらいしか知り得なかった30分であった。回を重ねて、時間を変えて、違う通りをも歩けば、おそらくはまるでインドそのものを楽しめたのだろう。チャイナタウン同様、もう一度来たいと思う気持ちをたっぷり抱えたままの私を乗せ、バスは最後の目的地、アラブストリートへと向かう。

 あとで地図で見ると直線遠距離にして約500m、歩いてでも行けるような距離の所にアラブストリートはある。ウィキペディアによると、シンガポールの国民は中華系が74%、マレー系が14%、インド系が8%となっている。複合民族国家のため、全ての面において3系統の文化が共存共生しながらも、それぞれが異なるコミュニティーを形成している。ここまで見てきたチャイナストリートとリトルインディア同様、ここアラブストリートはおそらく、マレー系またはイスラム教を信じる人たちが多く集まった地区なのだろう。

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  ノースブリッジロードとアラブストリートの交差点に立つ

 アラブストリートの交差点でバスを降りた。目の前には古くてカラフルな2階建ての建物が並び、その向こう側に近代的な高層ビルがそれを見下ろすようにそびえ立っている。ホワイトカラーとなった現代の裕福な中国系プラナカンと、ブルーカラーのマレー系や、国籍も持たないインド、バングラデシュから流れてきた出稼ぎ労働者では住むところが違うということだろう。リー・クアンユーは、この先のシンガポールをどのように描いていたのだろう。いつかこうした古い建物は再開発の波に飲みこまれ消えていくのだろうか。それとも、こうした旧プラナカン達の作り上げてきた歴史を売りに、観光立国を続けていこうとしていたのだろうか。

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ここもプラナカンハウスが並んでいた  スーパーの魚は沖縄のに近い感じ

 ここでもわずか30分の観光。まずは明さんオススメの、地元の人が出入りしてそうな雑貨店に入った。どれも興味深い品ばかりだったが、最後まで買おうという気は起こらず仕舞い。見た目は違っても所詮は単なる日用品である。ただ、魚や野菜は意外にも日本のそれに近いイメージのものばかりで、驚きと発見があった。

 その後、マスカットストリートという観光客向けの細い通りを歩き、角のカフェから日本語で話しかけてくる怪しい現地人をスルーし、シンガポール最古のイスラム寺院「スルタン・モスク(Sultan Mosque)」を外から眺めるだけで、あっという間に時間が終わった。ここも時間帯が悪かったんだろう。寂しいエリアに感じただけだった。

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   マスジット・スルタン      マスカットストリート

(つづく)

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2018.02.08

シンガポール旅行記 その44

 シンガポールでは、国民への教育的・道徳的指導を目的とした法律規則がたくさんあるが、「ガム所持禁止」などと同様、これもその一つなのだろう。何かマナー違反的な事件が起きたら即法律で規制だなんて、まるで学校みたいである。

 この禁酒措置は2013年の12月に、ここリトルインディアで発生した暴動が発端だそうで、しばらくはこのエリア(リトルインディアとゲイラン)が「アルコール規制地区」に指定されることになる。厳戒態勢は段階的に解除されていったが、後に、インド系の外国人労働者が「週末の夜に遅くまで外で飲んで騒いだ事が暴動に繋がった」と結論づけられ、それが「国全体」への指導的措置として、2015年4月の「午後10時半〜午前7時の間、公共の場での飲酒や酒類販売を禁じる法律」の施行に及んだというわけだ。やや連帯責任的な感じもしなくもない。しかも、シンガポールが徹底してるのは、外国人観光客にもそれが適用されるという点である。

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      赤線の内側が一時期の規制エリア

 ついでに、飲酒が可能なのは自宅やホテルの自室だけだが、「許可を得たレストランやバー、コーヒーショップの店内は可」というあたりに、国会での話し合いの後を感じる。きっと色々ともめたんだろう。でもそれ故か、これではあんまり規制になってない気もするのだが。シンガポールは暑い国なので、夜に外で涼みながら、路上の屋台やベンチでビールを飲む習慣があったはず。要するにそのあたりが規制の主対象となったのだろう。だとすると低所得の労働者階級への締め付けに見えなくもない。このあたりがシンガポールが抱えている悩みか。違反したら1000シンガポールドル(ざっと8万5千円くらい)以上の罰金または最長3ヶ月の禁錮刑。ううん...すごすぎる。ネットには、「この法律に関しては反対の声が多いと思いきや、国が行った国民への電話アンケートによると8割が賛成している。」と書いてあった。ほんとなの? アンケートほど信用できないものはない。国家元首を決める選挙の投票率および支持率が100%の国は1つしかないかもしれないが、シンガポールが「明るい北朝鮮」とよばれる理由がだんだんわかってきた気がする。

リトルインディアで40年ぶりの暴動
 シンガポールのリトルインディアで昨年12月8日夜に発生。インド国籍の労働者がバスにひかれて死亡したのをきっかけに、警察車両など25台を横転させ、一部に放火する暴動に発展。鎮圧に当たった警官ら39人がけがをした。当局は暴動容疑でインド国籍の25人を起訴。57人を国外退去処分にした。シンガポールでは、1960年代に民族対立などによる暴動が多発したことを教訓に、民族融和や治安規制を推進。69年の華人とマレー人の対立以来、大きな暴動は起きていなかった。
 12月8日の暴動は、リトルインディアから郊外の寮に戻る送迎バスに乗り損ねたインド人男性が、そのバスにひかれた事故が発端となった。周囲にいたインド人ら約400人が、中国系運転手と車掌を責めてバスを取り囲み、暴徒化した。ひかれた男性も暴徒も酒に酔っていたとされる。だが、暴動について米紙ニューヨーク・タイムズは12月27日付の社説で、「評価されずに不当に安く働かされている出稼ぎ労働者の不満の高まりに、シンガポールは対応できていない」と論評した。シンガポール政府は1月14日、同紙が言う「出稼ぎ労働者への不当な評価や抑圧」はないと反論した。
 シンガポール経済は近年、外国人労働者に頼って成長を遂げてきた。1990年の外国人は人口の10%の32万人だったが、2013年には29%の156万人に拡大した。政府は国籍の内訳を公表していないが、インド、バングラデシュだけで建設労働者の過半を占めるとみられる。彼らが建設ブームを支えている。
 安価な労働力の流入による所得格差の拡大で、国民の不満も高まっている。リー・シェンロン首相は昨年8月の演説で、経済発展の恩恵の公平な配分を掲げたが、その対象に外国人も含まれるかは不透明だ。(2014.1.26 産経ニュース)

(つづく)

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2018.02.01

シンガポール旅行記 その43

 いよいよ、午後の観光の時間である。次の目的地はこの一帯。すなわちリトルインディアである。ほんのわずかな時間だけバスで移動し、町の一角で下ろされる。

 「数年前、この一帯で暴動がありました。今では落ち着いているので大丈夫ですが、バスを長時間停めるわけにはいかないので、30分後にこのあたりに集合して下さい。はい、行ってらっしゃい。」

 明さんの言った言葉が気にならなくはないが、昼の日中でもあり、車窓からの遠目には民族色は濃いが、怪しいまでには感じない。さらにはほんの数週間前にテレビのバラエティー番組で、芸能人がこのリトルインディアを歩き回り買い物をするという番組を見たばかりである。

 バスを降りた所は、リトルインディア地区の玄関のようなで場所、目の前にはアーケードとテッカ・センター(Tekka Centre)がある。角にセブンイレブンがあったので入ってみたが、特に変わったところもなく、すぐに出てアーケードの方に向かう。

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   リトルインディア・アーケード といってもスクエアって感じか

 あっ、あのテレビ番組の中で芸能人たちが買って食べていたお菓子の店だ。見るからに毒々しい色のお菓子。「ものすごく甘いとテレビで言ってたよ。」と妻に伝えてスルー。通りに面した店は衣料品店が多く、レディメイドのサリーがずらりと並んでいた。こちらもとってもインドっぽくて楽しいのだが、買おうという気にはならない。

 キャンベルレーン通りを歩く。売られている物は観光客向けと思われる小物、アクセサリーと、ここに住む人々の日用雑貨品、食料品、そしてどちらともつかない、サリーなどの衣料品や神前に捧げる花飾りなど様々で、それらが混沌としているためなんとも異様で、もう一歩が踏み込めないままに時が進む。

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  どの商品からも、独特の香辛料の匂いがしてきた。いや、充満していた

 通りの中程に、周囲には似つかわしくないほどきれいな建物、「Indian Heritage Centre」がある。なんとなく中に入ってみると、民族衣装を着た女性の店員がすぐさま、「何かご用ですか?」と聞いてきたので、小心者の私は一瞬ひるみつつ、「あっ、ただ見てるだけです。」と答えた。後で調べると、2015年にオープンしたばかりの、このコミュニティの歴史を紹介する博物館だったようだ。上位階は有料の施設で、一階だけを眺める分には、さほどおもしろいところはなかった。今思えば、バスを降りたばかりの所にあったテッカ・センターに行くべきだったんだと、大いに後悔する。予習をしない者に幸せは訪れない。

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    行くべきだったのはテッカセンター

 そう言えば、シンガポールに着いたばかりの時、ホテルまで送ってくれたツアーガイドの張さんが言っていた注意事項を思い出す。

「2年前からシンガポールでは、夜お酒買えなくなりました。夜の10時半から朝の7時までお酒買えない。コンビニでも買えない。外で飲んだりもダメ。警察つかまる。罰金とられるね。とーてっも高いヨ。これ観光客の人もだめね。ゼッタイ注意してね。お酒飲むときはお店の中かホテルで飲んで下サイ。」

(つづく)

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